2010年(平成22年) 7月30日(金)付け紙面より
鶴岡市黒川地区に伝わる黒川能(国指定重要無形民俗文化財)の虫干し特別公開展示が29日、同地区の王祇会館で始まり、上、下両座が所有する貴重な装束と面が公開されている。
黒川能の両座では毎年8月1日、虫干しを行うのが慣例となっている。特別公開はこれに合わせて毎年この時期に開いている。今年は、江戸中期から昭和期に製作された上座の装束14点、下座の面31点が展示された。
このうち県指定文化財の狩衣(納戸地花菱亀甲鳳凰)はやや淡い紺地に、金糸で鳳凰の雄姿などが描かれたもので、高貴な華やかさを漂わせている。面では、若い女性役に使う「小面」、女性の怨念(おんねん)を表現した「般若」などおなじみのもののほか、しょうすいした表情の「俊寛」、野生と神々しさが混在した「一角仙人」など特定の能にだけ使う専用面も展示。奥深い表情が訪れた人を魅了していた。
職員は「これだけの数を展示するのはこの虫干しぐらいで、毎年、熱心なファンが県外からも訪れる。気軽に見にきてもらえれば」と話している。
8月2日まで。入場料1000円。問い合わせは王祇会館=電0235(57)5310=へ。