2017年(平成29年) 9月13日(水)付紙面より
ツイート
鶴岡市関川地区に伝わる伝統工芸品「しな織」の制作・加工・販売を行う「関川しな織センター」の建て替え工事がこのたび完了し、10日、同センターで竣工(しゅんこう)記念祝賀会が開かれた。出席した関係者がリニューアルしたしな織の拠点施設完成を祝った。
旧関川しな織センターは、当時の温海町(現・鶴岡市)が1985年に設置し、関川しな織協同組合(五十嵐正組合長)が公設民営方式で運営。老朽化により建て替えを検討していた。
工事に当たっては市が制定した「関川地区活性化計画」に基づき同組合が実施主体となり、農林水産省の農山漁村振興交付金と市の補助金合わせて約3300万円を活用。旧施設解体跡地に建て替える形で同組合が4月から工事発注。7月に完成、8月に完了検査を行い、引き渡しが行われた。
新施設は木造2階建て延べ床面積153平方メートル。1階を展示販売スペースと加工作業場、事務室とし、2階を資材庫に利用。今回の工事に伴う公設から民設への切り替えも考慮して面積的には旧施設の約半分とコンパクトに。より機能的な施設を目指した。99年に同じく当時の温海町が設置した隣接する「関川しな織の里ぬくもり館」はしな織文化の紹介、織り体験スペースとして活用するが、今回の建て替え工事により1階部分で新施設と連結。両施設一体の活用を図るという。
祝賀会では、地元や工事関係者ら約20人が出席。同組合を代表して五十嵐茂久第一理事が「しな織の全容がより見える形で発信していきたい。職員一同の頑張りで盛り上げたい。引き続き協力を」と主催者あいさつ。山本益生副市長が祝辞を述べた。市や設計、建築工事業者に記念品としてしな織が贈られた後乾杯した。
関川しな織センターは通年営業しており不定休。体験希望などの問い合わせは同センター=電0235(47)2502=へ。