2018年(平成30年) 3月2日(金)付紙面より
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鶴岡市立羽黒中学校3年の粂貞(くめ・きよし)さん(15)=183センチ、140キロ=が、大相撲の佐渡ケ嶽部屋に入門した。父の光雄さん(68)=同市羽黒町松尾=は、親元を離れて稽古に励む息子を思い「相撲道を通じて人間として成長していってもらいたい」と話している。
粂さんは、高校時代に相撲部に所属していた光雄さんの影響で5歳から相撲を始めた。光雄さんは「小さい頃から気の弱いところがあって、いじめられないようにと始めさせた」と振り返る。小学4年生の終わりごろからは、酒田市内の相撲教室へ。小学校時代は全国トップレベルへ食い込むことはなかったが、中学2年時には東北大会優勝、3年時には東北大会準優勝、全国都道府県中学相撲選手権大会では右足首のけがを押して奮闘し3位入賞を果たした。中学3年になった頃には「早くプロに入りたい」と決意を固め、家族に伝えていたという。
入門に当たっては多方面の引き合いがあったというが、粂さんが小学校時代から目をかけてくれていたという佐渡ケ嶽部屋への入門となった。
2月7日に佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若・尾花沢市出身)の羽黒中への訪問を受け、小雪が舞う中、浴衣姿で意気揚々と母校を後にした。現在は、3月の大阪場所の前相撲に向けて稽古に励む。入門したからには、なかなか連絡も取れないというが、光雄さんは「厳しい世界。自分の夢を信じて幸せになってもらいたい」と息子を思った。