2017年(平成29年) 6月13日(火)付紙面より
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羽州庄内松山城薪能が10日夜、酒田市の松山歴史公園特設舞台で上演された。かがり火が醸し出す幻想的な雰囲気の中、能、狂言が演じられ、市内外から訪れた能楽ファンの目を楽しませた。
松山能(県指定無形民俗文化財)は、江戸勤番の松山藩士が観世流の能楽を習得して持ち帰ったのが起源で、約350年の歴史がある。明治維新以後は地元の演能団体「松諷社(しょうふうしゃ)」(榎本和介会長)が受け継いでいる。「薪能」は「花の能」と銘打って松山能振興会が中心となり、歴史公園竣工(しゅんこう)を記念し1982年から開いている。
36回目となった今年は約160人の能楽ファンが訪れた。狂言「鬼清水」で開幕し日が暮れ始めた午後7時ごろ、薪がともされると一帯は趣ある雰囲気に。引き続き能「屋島」が演じられた。風が強く、時折雨も降るあいにくの天候にもかかわらず、訪れた人たちは揺らめくかがり火の向こうで舞う役者らの熱演に見入っていた。