2018年(平成30年) 12月16日(日)付紙面より
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遊佐町内で活動する地域おこし協力隊員5人を招いたトークセッション「地域おこし協力隊の皆さんと将来について語ろう」が14日、遊佐高校(鈴木まゆみ校長)で行われ、協力隊員とのグループ討議を通し、1年生33人が自らの将来について考察した。
「―協力隊」は、総務省の特別交付税措置事業として2009年度にスタート。人口減少や高齢化などの進行が著しい地域に主として首都圏の若者を派遣、農林漁業の応援、住民の生活支援など各種地域協力活動を行ってもらうことで、地域力の維持・強化を図っている。任期は1年更新で最長3年。同町は庄内地域では最も早く10年度に委嘱を開始し、本年度は5人が地域活性化に向けた諸活動を繰り広げている。
同校は15年度、それまでの普通科から総合学科に改編。1年次に、2年次以降の課程となる進学希望の「教養系列」、就職希望の「地域共生系列」のいずれかを選択する。今回のセッションは、自らの生き方、学び方を考える総合学科必修科目「産業社会と人間」の一環として、それぞれの分野で特異な才能を発揮し、まちづくりに励んでいる協力隊員の協力で同校が初めて企画した。
この日は、町内で活躍している協力隊員の藤川かん奈さん(2016年4月委嘱、京都市出身)、和島経輔さん(17年1月委嘱、酒田市出身)、高橋可奈絵さん(同5月委嘱、中山町出身)、林晶さん(同6月委嘱、河北町出身)、坂部春奈さん(今年6月委嘱、山形市出身)が来校。生徒たちは6―7人ずつグループとなり、モデレーターとなった隊員と対話する形で進行した。
生徒たちを前に、隊員たちは高校時代のエピソード、なぜ協力隊員になろうとしたか、退任後の夢などを「これまでさまざまな仕事を経験したが、全てが今の力になっている。無駄はない」「町の魅力を生かしてくれる人の仕事場を創造したい」「人生はいつ、どこで何が起きるか分からない。全てがチャンスだと思って」「知識が全てではない。生活で使える知恵を身に付けて」と話すと、生徒たちは「協力隊の皆さんは苦労を重ね、挑戦し続けて何かを見つけた人ばかり。さまざまなことに挑戦したい」「対話を通して遊佐の良さをあらためて実感できた」と感想。相互に有意義な時間を過ごした。
セッションを見守った高橋秀典教頭は「さまざまな生き方、価値観を学び、今後の進路選択に役立ててもらいたい」と話した。