2019年(令和1年) 5月21日(火)付紙面より
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「庄内三大祭り」のトップを切って、酒田市の「酒田まつり」が20日、本祭りを迎え、酒田の町を象徴する大獅子をはじめ、市民が工夫を凝らした山車が中心市街地を練り歩いた。前日19日の宵祭りには高さ20メートル超の立て山鉾(やまぼこ)が点灯、巡行し、港都を熱気で包み込んだ。
江戸初期の1609(慶長14)年から山王祭として始まった上日枝(浜田一丁目)、下日枝(日吉町一丁目)両神社の例大祭で、一度も欠かさず続けてきたことが市民の誇りとなっている。酒田大火(1976年)の復興宣言が行われた79年から、市民を挙げた祭りにしようと現名称にして続けられている。鶴岡市の天神祭(5月25日)、大山犬祭り(6月5日)とともに庄内三大祭りに数えられる。
2018年から午前、午後の2部制にした20日の本祭りの山車行列は今年、午前午後、合わせて47団体の約3600人が参加。このうち午前の部は同10時、酒田ばやし保存会を先頭に市役所前を出発。幼児や小学生たちが思い思いの山車や踊りを披露しながら、本町通り、大通り、寺町通り、国道112号を練り歩いた。青空が広がる中、子どもたちは沿道の声援を受け、「わっしょい、わっしょい」と威勢の良い声で山車を引いた。また、大通りの南進車線では、大火復興を記念して制作された大獅子(獅子頭は縦、横、奥行きとも約2メートル)2体が恒例の「獅子パックン」を実施。子どもの健康を願って獅子の口の中に入れ、記念撮影するもので、大勢の家族連れが長い列をつくった。
一方、19日午後6時半からは国道112号マリーン5清水屋前で宵祭りが行われた。酒田青年会議所(JC、若村光司理事長)が、鳥海山の標高の100分の1にこだわって制作した高さ22・36メートルの立山鉾が設置された。
酒田市と交流している秋田市の土崎港ばやしの演奏に続き午後7時すぎ、山鉾が点灯すると、「おー」「すごい」と歓声に包まれた。酒田ばやしの笛や太鼓の音が響く中、酒田JCメンバーが山車を押して巡行、大きな拍手に包まれた。また、今年は酒田花魁(おいらん)道中も宵祭りの中で行われ、あでやかな姿が詰め掛けた見学物を魅了した。