2024年(令和6年) 2月25日(日)付紙面より
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県とJR東日本が連携して取り組む春の観光キャンペーン(4―6月)と今年7月31日の羽越本線全線開通100周年に向けた「つるおか春の観光キャンペーン」キックオフセレモニーが24日、鶴岡市のJR鶴岡駅前マリカ広場で行われた。関係者が鏡開きと勝どきを行い、さらなる誘客拡大と観光振興への決意を表明した。
「心ほどけるやまがた」をキャッチコピーにした県のキャンペーンに合わせ、同市では致道博物館特別展「国宝展示 大名 酒井家の名宝」(4月27日―6月17日)などが開催される。市は3つの日本遺産と4つの国民保養温泉地、ユネスコ食文化創造都市などをアピールして誘客を図る。JR東日本は、羽越本線特急いなほ号(普通車指定席)の料金を半額にする「特急トクだ値スペシャル21」で観光客を呼び込む。
セレモニーは、「まちなか昼呑(の)み酒まつり」の開幕に合わせて行われた。大勢の来場者が見守る中、主催者の皆川治市長が「春の観光キャンペーンを大いに盛り上げていこう」とあいさつ。来賓のやまがた観光キャンペーン推進協議会長の國井英夫庄交コーポレーション社長が「観光資源に恵まれた鶴岡は県内で最も観光客が訪れるまち。インバウンドを含め誘客を図り、地域活性化につなげたい」、JR東日本新潟支社の和田佳史地域共創部長が「鶴岡、庄内エリアの観光は今年、チャンスの年。羽越本線全線開通100周年でさまざまな企画を計画し、新潟や首都圏からより多くの観光客を呼び込みたい」と述べた。
辰歳(たつどし)御縁年を迎えた善寳寺に、出羽三山神社と荘内神社を加えた御縁年御朱印帳による「詣でる」企画も予定されている。3寺社や各温泉地の関係者も集結し、「エイ、エイ、オー」の勝どきでキャンペーンの盛り上がりを期した。
2024年(令和6年) 2月25日(日)付紙面より
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鶴岡市青龍寺の金峯神社(佐々木孝善宮司)で23日夜、「金峯山雪灯篭(どうろう)まつり」が開かれた。雪灯籠や竹を切って作った竹灯籠のほのかな明かりが同神社中の宮周辺の参道や境内を彩り、訪れた大勢の家族連れやカップルが幻想的な光景に見入った。
地元住民などでつくる実行委員会(菅原順一委員長)主催で、34回目を迎えた。例年は28日の同神社「山開き祭」の前夜に開催しているが、近年の暖冬もあって、天皇誕生日の祝日開催に早めた。高さ1―2メートルほどの雪灯籠は雪不足のため、いつもより少なめの約30基となったものの、前日までに降った新雪で山中はより神秘的な雰囲気に包まれ、雪灯籠やライトアップされた大黒様とえびす様の大型雪像、数百個の竹灯籠を背景に、多くの人が写真を撮っていた。
斎館では地元の伝統芸能の天狗舞や獅子舞、大雪像前では「よさこいソーラン踊り」の披露、甘酒や玉こんにゃくの振る舞い、社務所での「そば」の販売も行われた。カップルで秋田県から鶴岡観光に訪れた三浦達也さん(52)と安部芙美子さん(42)は「まつりがあることを偶然知って来てみた。初めて雪灯籠を見たが、とてもきれい。景観もまつりの雰囲気もいい。来て良かった」と話した。
別名「縁結び祭り」とも呼ばれる同神社山開き祭の一番祈祷(きとう)は例年通り28日(水)の午前0時から、一般祈祷は同7時から、本祭典は同11時から、それぞれ行われる。
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鶴岡市小真木原公園のアイススケート場をイルミネーションで飾り付けた冬の新しいイベント「アイスリンクイルミネーションin小真木原スケート場」が23日、同所で行われた。リンクを優しい光が照らす中、普段とは違った雰囲気のスケート場で大勢の親子連れなどが冬の夜のイベントを楽しんだ。鶴岡の冬の夜を楽しく過ごしてもらおうと市スポーツ協会(山本益生会長)が初めて企画した。テニスコートを利用して冬季限定で開設される屋外アイススケートリンク(30メートル60メートル)を、約1万7000個のイルミネーション(LED電球)で飾り付けた。25日まで。
イベント開始から1時間ほどたった午後6時ごろに日がすっかり暮れると、リンクを覆うように飾られたイルミネーションの光が氷上を照らした。親子連れやカップル、友人同士などが思い思いに滑りを楽しみ、イルミネーションの前で写真を撮る姿も見られた。
お母さんと一緒に訪れた鶴岡市の佐々木英麻ちゃん(5)は「きらきら光ってとてもきれい。お母さんと一緒に滑って楽しいよ」と笑顔を見せていた。
また、同市温海地域で採取した竹を活用して150本余りの竹明かりを用意した。一部はろうそくを使用しており、ゆらめく幻想的な明かりをスマートフォンなどで撮影する人もいた。
市スポーツ協会によると数日前まで日中の気温が高く、一時はリンクの表面の氷が解けて湖のようになったという。ある職員は「ここ2日ほど冷え込んだおかげでイベントを開催できた」と胸をなで下ろしていた。
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進学などで遊佐町を離れる高校生らに、郷土料理の作り方を伝えようという講習会が23日、同町西遊佐まちづくりセンターで開かれた。間もなく遊佐高を卒業する3年生2人など町内外から9人が受講。鱈(たら)の卵(真子)と糸コンニャクを炒りしょうゆなどで味を付ける「鱈のこいり」などの調理に取り組んだ。
専門学校に進むため自身も今春、出身地の埼玉県に戻る片山櫻さん(18)=遊佐高3年=や、同町まちづくり協力隊で遊佐高ハウスマスターの吉田実さんらが実行委員会を組織。一人暮らしをスタートして料理をする際に故郷を感じてほしいと、「遊佐を離れる君へ~郷土料理を伝えたい」をテーマに町の予算を活用し初めて開催した。
この日は、同高の県外留学生の寮母を務める土門繁子さん(65)を講師に、寒鱈汁、鱈のこいり、弁慶飯の3品に挑戦。「寒鱈汁はアブラワタ(肝臓)を入れるのがポイント」「鱈のこいりは焦がさないように」「弁慶飯のご飯はしっかり握って」などのアドバイスを受けながら、約2時間かけて仕上げ試食した。
大学進学が決まって千葉市の実家に帰る松下潤さん(18)=遊佐高3年=は、「地元の伝統的な料理を学びたいと参加した。今まで自分で料理することはなかったが、これからはできる範囲で頑張りたい。その時に今日の講習会を思い出し役立てたい」と話した。
2024年(令和6年) 2月25日(日)付紙面より
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鶴岡市立加茂水族館(奥泉和也館長)で飼育してきたゴマフアザラシのマルコ(雌)が23日、天国に旅立った。1991年3月10日生まれの32歳。これまで16頭の子どもを産み育て繁殖に貢献してきた。同館では大型プールに通じる1階出入り口に献花台を設けマルコを追悼している。
同館によると、今月20日ごろ体の動きが悪くなり治療と手当てを続けてきたが23日午前8時46分、死亡を確認した。病理解剖の結果、胸の中にできた腫瘍が原因とみられる。
マルコは左目が失明。右目も白内障で見える状態ではなかったという。同館に入社した当時からマルコの出産に携わってきた飼育担当の伊藤愛さん(32)は「ほとんど目が見えないのに前足で赤ちゃんを呼び寄せるようにして母乳を与えていたのが印象として残る。繁殖に限らず高齢の個体とどのように向き合って世話をするか、マルコからは多くのことを教わった。冥福を祈りたい」と話した。
献花台は来月3日(日)まで設置している。