2022年(令和4年) 5月26日(木)付紙面より
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「化けもの」繰り出す
庄内三大祭りの一つ、鶴岡市の天神祭の本祭が25日、同市神明町の鶴岡天満宮(齋藤元宮司)や市街地で行われ、コロナ禍で規模縮小となったものの3年ぶりに祭りパレードが繰り広げられた。鶴岡天満宮やパレードには、祭りの主役「化けもの」も登場し、薫風の晴天の下、城下町の祭りを盛り上げた。
学問の神様・菅原道真公を祭る鶴岡天満宮の祭礼。道真公が太宰府に流される際、人々が時の権力をはばかり、顔を隠して酒を酌み交わしたという故事に由来し、鶴岡では例年、長じゅばんや編み笠などを身に着けた「化けもの」が道行く人に無言で酒を振る舞う。今年は祭り客への酒やジュースの振る舞いは行わず、アルコール手指消毒して回るスタイルに変更した。
この日午前、鶴岡天満宮で神事、ともに約300年前から伝わるという天狗舞、獅子舞が奉納され、「化けもの」が参拝に訪れる姿があった。親子で化けものとなった市内の女性は「化けものになるのは久しぶり。親子とも学ぶことを忘れないようにと祈願した」と話していた。
メインのパレードは午後2時に市中央児童館をスタート。参加人数と距離を縮小し、昭和通りまでの約600メートルで繰り広げられた。酒井家庄内入部400年記念で化けもの参加者全員に、旧庄内藩主酒井家18代当主の酒井忠久さん揮毫(きごう)の特製木札が贈られた。25日は鶴岡公園内に露店が出店。祭りの郷土料理と旬の食材を使った特製弁当「化け弁」の販売なども行われた。
「大絵馬山車」ライトアップ
天神祭を盛り上げようと、荘銀タクト鶴岡前で24日夜、大絵馬型山車の展示とライトアップが行われた。
山車を作ったのは天神祭実行委員会の大絵馬パレード部会(神林守部会長)。今年は規模縮小でパレードに出演できなくなったため、展示とライトアップを企画し、25日と2日間実施。山車は全長10メートル、高さ4・5メートル、幅5メートル。菅原道真公を描いた大絵馬に加え、鶴岡天満宮の天狗(てんぐ)で道先案内の神「猿田彦」を据えてある。
点灯初日の24日夜は、通りかかった多くの家族連れやカップルが足を止め、写真を撮っていた。神林部会長は「まちを明るくしたいという思いで企画した。来年こそパレードでお見せできれば」と話していた。