2005年(平成17年) 6月22日(水)付紙面より
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酒田市の阿部寿一市長(45)は21日、6月定例市議会本会議の一般質問の答弁で、「新市の総合計画を立案したい」と述べ、11月の1市3町の合併後に行われる新「酒田市」の市長選に出馬する意向を表明した。今のところ、ほかに出馬の意思を表明している人はいない。
市村浩一議員(平成会)がものづくりを中心にした産業振興のビジョンに関して、「酒田市が今後の戦略としてビジョンを描き進んでいくことについて、市長は今後の総合計画を自ら計画していくつもりがあるか」とただしたのに答えた。
阿部氏は「ものづくりは転換期に来ている。単に下請け型で組み立てをすればいいという産業は、中国などに行く。そんな中で、この地域がものづくりで生き残っていくには人材育成を含め地域全体が力を合わせていくことが大事。ものづくりについて議論するフィールドも市町村合併によって拡大する。50年に1度の合併は大きな混乱なく、さらなる発展につながるように成し遂げられなければならない。本間ゴルフの問題など、厳しい状況の中、これ以上の雇用不安を巻き起こしてはいけない。微妙で、かつ難しい時期。高校再編の問題もある」と市を取り巻く状況を分析。
そして、「このような時期、今まで皆さんのご指導で身に付けてきた知識や経験を生かしながらこの合併などを乗り切っていかなければいかない。新しい市の総合計画、ものづくりのビジョンを立案していきたい意思でいる」と合併後も市長を続けることに意欲を示した。
阿部氏は、東大法学部を卒業し建設省(現国土交通省)に入省。鳥取市、総理府出向などを経て、1998年11月に大臣官房人事課長補佐で退職。99年4月の酒田市長選で、事実上の現職との一騎打ちを制して初当選、2003年4月に再選され、現在2期目。