2005年(平成17年) 11月15日(火)付紙面より
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北庄内の4市町が合併した新「酒田市」の初の市長選、市議選は13日、ともに投票が行われ、即日開票された。新市のかじ取り役を決める市長選は、前酒田市長の阿部寿一氏(46)=無所属、自民党推薦=が、新人で元家庭裁判所事務官の岡崎理香氏(45)=無所属、民主党推薦=を破り、初代市長に選ばれた。定数34、新市全域を1選挙区として7人超の41人が立候補した市議選は、旧酒田市の24人は全員が当選、組織力と基礎票で劣る旧3町の7人が涙をのむ結果となった。投票率は、過熱ぎみの市議選に引き上げられる形で、前回を上回った。
一騎打ちの市長選を制した阿部氏は今年6月の定例市議会で、「新市の建設計画を立案したい」と出馬を表明。本格的な臨戦体制に入ったのは岡崎氏が出馬を表明した先月20日以後。ミニ集会を開くなど慌しく準備を進めた。
自民党、連合山形、県平和センターの推薦を受けたほか、森田廣、佐藤藤彌、星川純一、土田広志の各県議、旧3町長らの支援を受け、告示後は保守系の市議候補と連動して個人演説会を開催。「合併に伴う選挙。3町長と約束したことを責任をもって実行する」などと訴え、前職の知名度で支持を集めた。
岡崎氏は、阿部氏の政治姿勢などに批判的な同級生らの要請を受けて出馬を決意。知人や支援企業などのツテを伝って、草の根的な動きを展開した。
民主党の推薦を受けたものの、実質的な支援がない中、吉泉秀男県議、県外の自民党、公明党の国会議員、公明党県本部の寒河江政好代表らの個人的な支援を得て選挙戦を繰り広げた。「東北初の女性市長を」を合言葉に市政刷新を訴え、阿部市政への批判票のほか、自身への支持を広げたが、出遅れと知名度不足が響き、及ばなかった。
投票率は72・44%で、旧酒田市の前回市長選(2003年4月、71・51%)を0・93ポイント上回った。
支持者とともに万歳三唱する阿部氏(中央)=13日午後10時ごろ、酒田市亀ケ崎七丁目の事務所