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2006年(平成18年) 1月20日(金)付紙面より

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羽越本線 25日ぶり運転再開 区間運休の鶴岡―酒田間 原因解明、対策が焦点に

 死者5人、負傷者32人を出した庄内町榎木の羽越本線特急「いなほ14号」脱線・転覆事故で、JR東日本は19日、区間運休となっていた鶴岡―酒田間の運転を事故から25日ぶりに再開した。酒田駅を出発した始発列車の特急「いなほ2号」は19日早朝、脱線現場周辺を時速45キロの徐行運転で通過。JR社員が列車に向かって黙とうし、あらためて犠牲者の冥福を祈るとともに、安全運行を誓った。今後は、山形県警列車事故事件捜査本部、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会による事故原因の解明が焦点となるとともに、安全対策の徹底による信頼回復が求められる。

 始発の酒田発新潟行きの上り特急「いなほ2号」は乗客12人を乗せて19日午前5時42分、同駅3番ホームから定刻通り発車した。事故車両と同じ6両編成で1―4両目が自由席、5、6両目が指定席とグリーン席。自由席には4人が乗車したが、事故で死者が出た先頭車両には誰も乗らなかった。

 発車後、5分ほどで砂越駅を通過。直後から徐々に減速し始め、第2最上川橋梁の酒田側約400メートル地点から始まる、防風柵設置予定の2300メートル区間は時速45キロの徐行運転を行った。

 同橋梁を渡った直後の事故現場付近では、車内から手を合わせ犠牲者の冥福を祈る人の姿も見られた。乗客のうち酒田市上安田の農業、荒生嘉男さん(51)は「米の販路開拓のため以前からこの日に上京すると決めていた。羽越本線は最重要路線。動かないと死活問題だった」と話した上で、「(事故に関しては)言葉にできないものがある」と話し、現場付近で静かに手を合わせていた。

 また、事故現場を通過した際に「少しは不安があった」と感想を語った同市宮海、会社員、佐藤昭悦さん(41)は「JRと国土交通省が年末年始に休みなしで安全対策を練り、作業をしたのだから大丈夫と思った。安全面でしっかりしてくれればそれで良い」と話した。同列車は定刻より約4分遅れで鶴岡駅に到着した。

 一方、「いなほ2号」に続いて、同日午前5時53分には陸羽西線新庄行きの普通列車が酒田駅0番ホームから、乗客5人を乗せて出発した。出発の際には運転士とホームで見守るJR東日本新潟支社の社員が敬礼し合った。魚の行商でいつも酒田駅から利用しているという同市の上嶋みよさん(80)は「運転再開はうれしい。冬場は吹雪が当たり前だが(事故が)考えられない突風なら仕方がないと思う」と話した。

 また、同駅改札口では社員が構内放送で「羽越本線は本日から運転を再開いたします。脱線事故による運休に伴い、多くの方々にご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます」と陳謝した。

暗闇の吹雪の中、始発列車が脱線事故現場を通過。現場には車両が激突した小屋のがれきなど事故の傷跡が残っている
暗闇の吹雪の中、始発列車が脱線事故現場を通過。現場には車両が激突した小屋のがれきなど事故の傷跡が残っている



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