2006年(平成18年) 4月4日(火)付紙面より
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酒田市坂野辺新田の八幡神社(阿部直徳宮司)の春の例祭が1日、地区内で行われた。神社本殿で行われた神事で、女子小学生による巫女(みこ)舞が初めて地区民に披露された。
同神社は創建から約240年の歴史がある。春の例祭も200年以上前から続いている行事で、地区民がその年の豊作を祈る。
神社で行われる例祭の神事では琴や笛、謡はあるが、巫女舞は伝えられてこなかった。また、当屋から神社まで祭具などを運ぶ「御幣担ぎ」は小学6年生の男子が担当しているが、祭りでの女の子の出番はなく、黒森や十里塚など隣接する集落の例祭には巫女舞があるため、祭り活性化の面からも創設を求める声が地区内で上がっていた。
同神社氏子総代の佐藤久良さん(55)によると、巫女舞は氏神を楽しませるために奉納上演するものという。今回、創設に向けて4人分の装束を京都から購入。保育士の経験がある地区民の佐藤えりさん(40)が先月、八幡神社「本家筋」の鶴岡市大山地区の椙尾神社の巫女舞を指導している宮野いよさん(鶴岡市馬町)の下を訪れ、巫女舞の踊り方を習った。舞をビデオに収め、これを基に、春休みを利用し新6年生の3人の女の子が神社などで4回の練習を重ね本番に備えてきた。
神社本殿で行われた神事の中で、紅白の装束に身を包んだ3人の女の子が鈴などを手に持ち、「君が代」に合わせ厳かな舞を披露。本殿に詰め掛けた大勢の地区民らは子供たちの優美な舞に目を細めていた。
指導に当たった宮野さんは「今回初めてだったが、とてもかわいい舞だった。合格点を出せる出来栄え」と話していた。
今秋の新嘗祭でも今回踊らなかった2人を含む3人が巫女舞を披露する予定。佐藤総代は「小学6年生の女の子の伝統として巫女舞を末永く伝えていきたい」と話している。
坂野辺新田の八幡神社で初めて巫女舞が奉納上演された