2006年(平成18年) 8月17日(木)付紙面より
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15日午後5時50分ごろ、鶴岡市大東町の加藤紘一衆院議員(67)の実家から出火、木造一部2階建ての住宅と棟続きの事務所計約340平方メートルを全焼した。敷地内で腹部から血を流している男性が見つかり、鶴岡市立荘内病院で治療を受けている。右翼団体に所属する都内の65歳の男性とみられる。鶴岡署は、男性が放火し自殺を図った可能性もあるとみて、回復を待って事情を聴くことにしている。同署では16日午前9時から実況見分を行い、出火原因などを調べている。
調べによると、事務所にいた女性事務員(25)が焦げくさい臭いに気付き、母屋から黒い煙が上がっているのを見つけ、119番通報した。母屋には加藤氏の母親の於信(おのぶ)さん(97)が1人で暮らしていたが、火災発生時は日課の散歩に出かけていた。
事務所と北側にあるブロック塀との間に血を流した男性が倒れているのを消火作業中の消防署員が発見、病院に収容した。腹部のほか腕に刺し傷とみられる傷があり、意識はなかった。搬送後に緊急手術を受け、集中治療室で治療を受けている。割腹自殺を図ったとの見方が強い。
男性は、年齢が65歳で、白髪交じりの角刈りで顔や口の中に火傷を負っている。白いTシャツとベージュ色のズボンを着用していた。腹部を傷つけたとみられる凶器は倒れていた現場付近にはなかった。所持品はハンカチだけだったという。加藤氏の家族や事務所とは無関係とみられる。
火元の母屋は1、2階とも屋根が焼け落ち、火の回りの早さや激しい燃え方を示していた。特に北側部分の焼け方が激しかった。
鶴岡地区消防事務組合からポンプ車5台、鶴岡市消防団からポンプ車3台、小型ポンプ6台が出動し消火に当たった。
県警本部鑑識課や鶴岡署員ら18人体制で実況見分=16日午前9時すぎ