2006年(平成18年) 10月01日(日)付け紙面より
国境を越えて海洋生物や環境などに深刻な被害をもたらしている海洋ごみの問題について、日本、韓国、中国、ロシアの4カ国のNGO(非政府機関)や政府関係者らが一堂に会して課題を探る「国際海岸クリーンアップ(ICC)&ワークショップin山形2006」が29、30の2日間、酒田市公益研修センター多目的ホールを主会場に開かれた。29日はワークショップとして4カ国の関係者による基調講演とパネルディスカッションが行われ、各国のICCの取り組みの実態や課題について意見交換、各国連携の必要性などをあらためて確認した。
国連環境計画(本部・ナイロビ)の日韓中ロの4カ国が参加するプログラム「北西太平洋地域海行動計画」(NOWPAP、事務局・富山市)が、4カ国の関係者が一堂に会する会合としては初の試みとして開いた。酒田市での開催は、飛島での官民を挙げたクリーンアップ作戦が国内でも先進的な取り組みとなっているためで、同作戦に中心的にかかわってきた地元のNPO法人「パートナーシップオフィス」(西村修理事長)が共催した。韓国、中国、ロシアの約30人を含め、各国のNGOや政府の関係者、一般市民ら約200人が参加した。
29日のワークショップは、はじめに4カ国でICC活動に取り組んでいるNGOの関係者ら6人が事例発表。日本のNGO・JEANクリーンアップ全国事務局の小島あずささんは「海洋ごみは特別な人が出すのでなく、一般の人が生活の中で出すものが中心。一人一人が出さないようにし、もし出た場合は速やかに回収し、海に出たものについては国際的な協働で取り組むべき」と、調査方法やデータの共有化を訴えた。また、韓国のダイバー組織・海洋救助団のホン・スンヌクさんは「国内だけでなくアジア全体の連携が不可欠。ICCは1年のうち1日だけの活動だが、他の364日に何ができるかを考え、行動しよう」と市民の日常レベルでの行動の重要性を訴えた。
続くパネルディスカッションでは、日韓の政府関係者も交えた7人が情報・データの共有化、市民への啓発などをテーマに意見交換。中国のNOWPAP傘下組織DINRACのシャン・イさんは「4カ国言語で入力し、情報交換できるデータセンターなどプラットフォームが必要」、韓国水産開発院のチェ・ドンオさんは「海洋ごみは、事前に出さないようにするため啓発の意義は大きく、運動に市民参加は不可欠」などと述べた。
30日は酒田市宮野浦海岸で、ICCの体験活動を実施。ごみの分類方法などを体験的に学んだ。また、ワークショップに先立つ28日には日韓のNGO関係者による合同会議が開かれ、▽日韓2国間にとどまっているNGOの交流・協力を他国にも拡大していく▽関係国政府に一層の協力・支援を求めていく―など5項目にわたる提言をまとめた。
日韓中ロの4カ国のNGOや政府関係者ら海洋ごみ問題について意見を交わしたパネルディスカッション=29日
2006年(平成18年) 10月01日(日)付け紙面より
第40回茶道遠州会全国大会が30日、鶴岡市の鶴岡アートフォーラムと庄内藩校致道館を会場に開かれた。遠州茶道宗家13世家元の小堀宗実氏をはじめ、全国各地から会員約800人が参加し、式典や茶席などで交流を深めた。
遠州流の流祖・小堀遠州公と庄内藩酒井家三代忠勝公との親交を源流に、山形支部は1955年に発足した。山形での全国大会は3回目で、支部発足50年の節目に全国から大勢の会員を迎え、もてなした。
アートフォーラムでの式典では、富塚陽一市長や酒井家18代当主の忠久氏らを来賓に迎えた。小堀氏が参加会員を前に、「茶の湯を通して心を豊かにするということを、21世紀の大きな目標にしている。流祖・遠州公の心をもう一度心に刻み、取り組んでいきたい」とあいさつした。
その後、アートフォーラムと致道館で茶席が設けられた。致道館の茶席には、小堀氏や来賓者が参加し、会員たちと会話をしながら、歴史ある建物でゆったりと茶の湯を楽しんだ。
また、致道博物館では全国大会の開催に合わせ、「遠州流茶道 小堀家歴代宗家の書展」が10月11日まで開かれている。
致道館での茶席を楽しむ遠州流家元の小堀氏(左奥)と会員たち