2006年(平成18年) 11月8日(水)付紙面より
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鶴岡市の鶴岡公園で7日、鑑賞池で飼育しているコイを園内の越冬池に移す“引っ越
し”作業が行われた。
鑑賞池では、市が購入したり寄贈を受けたマゴイ、ニシキゴイ(紅白、大正三色、昭和三色、黄金、プラチナ、大和錦)、ドイツゴイなど約120匹が飼われ、春から秋にかけて道行く観光客や市民の目を楽しませている。冬季は水温が低下するため、地下水が入り真冬でも水温が15度前後に保たれる越冬池(広さ300平方メートル)に移している。
この日は市職員や全日本愛鱗会山形支部のメンバーなど約10人が参加。時折、強い雨が降る悪天候の中、3カ所で仕切られた全長95メートルの鑑賞池の片側からコイを追い込み、池に入った職員らが素手や網ですくってバケツに入れ、トラックの荷台の水槽に移す作業を繰り返した。
その後、同公園内サル小屋裏の越冬池にピストン輸送した。コイは来年4月初旬ごろまで越冬池で過ごすことになる。
鑑賞池から越冬池に移される鶴岡市民の人気者のコイたち
2006年(平成18年) 11月8日(水)付紙面より
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三川町出身で元芝浦工業大教授の齋藤重治さん(80)=東京都東村山市=が回顧録「わが回想80年―鉄路から工学の道へ―」を出版した。旧国鉄マンから大学に入学し、定年後はコンピューターグラフィックス(CG)デザインを手がける「独学の人生」を振り返っている。
齋藤さんは旧三川村生まれ。横山尋常高等小学校を卒業後に国鉄に就職。戦後に管理部門の新潟鉄道局に異動し、「高小卒では異例の昇進」を遂げたが、大量の復員者の職場復帰で降格。「いつか必ず局に戻す」との上司の言葉で3年間耐えたが、「人生の負け犬になりたくない」との思いで国鉄を去った。その後、独学で芝浦工大に入学し、卒業と同時に同大助手となり、講師、助教授を経て教授に就任した。専門は土質力学。
65歳で定年退官後はパソコンに入れ込み、CGの魅力にとりつかれた。文様画や抽象画などを中心に創作を続け、毎年秋には古里の三川町の秋まつりで作品を発表。都内でも個展を開くなどの活動もしている。
「自分は何をしてきたのか、どういう生き方をしてきたのか」と自らに問いかけ、80歳の節目での回顧録の出版を決意した。「幼少期」「国鉄時代」「大学教員時代」「定年後」と4期に分けて自らの人生を振り返っている。
「幼少期」の中にはホタル捕りや稲刈り、初春の野山など、戦前の庄内地方の懐かしい風景もつづられている。「定年後」では、ノーベル科学賞を受賞した江崎玲於奈博士の講演聴講後、パーティー会場で本人と直接交わした会話の場面などが登場する。
齋藤さんは「国鉄に骨を埋めることを夢見ていたが、戦争により自分の人生が変わってしまった。独学の人生だった」と自らの一生を振り返った。
A5判、245ページ。希望者には無料(送料は実費)で配布している。問い合わせは齋藤さん=電0423(91)5278=へ。
回顧録を出版した齋藤さん