2006年(平成18年) 12月12日(火)付け紙面より
山形大学農学部の江頭宏昌助教授ら研究プロジェクトチームは、鶴岡市温海地域特産の温海カブの葉を食品として有効活用する研究に取り組んでいる。色素や歯ざわりがネックとなり、食用に向かないとしてこれまで捨てられていた葉をフリーズドライにし粉砕した「温海カブ葉パウダー」を開発した。11日に温海温泉林業センターで開かれた料理教室で、試作品のパウダーを使ったパスタ料理などがお披露目された。同地域特産の健康食材として注目されるとともに、地域農業の活性化につながる研究として期待が高まる。
今年3月、「温海カブの葉の新しい食品素材への応用に関する研究」テーマで、同大農学部の江頭助教授、赤澤經也助教授、五十嵐喜治教授、小野寺弘道教授の4人による共同プロジェクトが発足。温海カブの葉にポリフェノールが豊富に含まれていることなどに着目し、廃棄されていたものを健康食材として有効活用する研究が進められた。
学生たちと伝統的な焼き畑で育てた温海カブの葉と、同市温海庁舎の協力で提供のあった特別栽培温海カブの葉を漬物にしたり、フリーズドライパウダーにした。
江頭助教授がパウダーの活用法を「食の都庄内」親善大使で、イタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」オーナーシェフの奥田政行さんに相談。この日の料理教室では、温海地域の食材を使った地産地消のメニューの中に、パウダーを練りこんだパスタ料理とアイスクリームが盛り込まれた。
奥田シェフは「どんなものに練りこんでも温海カブの香りと、スッとした独特の辛味が生きる。パンやソバに使ってもおもしろい。店でパウダーを使った料理を出してみたが、お客さんの反応もいい。さまざまな可能性を感じる」と太鼓判を押した。
パスタを食べた料理教室の参加者からも「緑がきれいだし、何より温海カブの味がするのにびっくり」など評価が高かった。
江頭助教授は「パウダーを生かした特産品開発などで温海地域の活性化や、伝統の焼き畑農法を守っている生産者のやりがいにつながれば」と話した。
温海カブの葉のパウダーを練りこんだパスタ料理をつくる奥田シェフ
2006年(平成18年) 12月12日(火)付け紙面より
ハタハタの産卵を助ける産卵床の設置作業が10日、酒田市の酒田北港の通称水路で行われ、地元の子供たちや学生が手伝って作られた網状の産卵床が水中に設置された。
海洋生物の保護や環境教育などを目的としたNPO法人「みなと研究会」(事務所・酒田市緑ケ丘、守屋元司代表理事)が国土交通省酒田河川国道事務所や県漁協、東北公益文科大、加茂水産高などの協力で企画。
ハタハタを貴重な自然資源と考え、次世代に引き継いでいこうと昨年から実施している。昨年設置した産卵床には若干の卵が付着し、松原小児童たちが学校の水槽でのふ化を試みた。
産卵床は刺し網状で長さ約30メートルものが2本。この日の設置作業では、ダイバーたちの手で水路と平行にアンカー打ちされた。産卵床は先月、松原小6年生が総合学習の一環で作成。児童たちがインターネットで調べるなどし、ハタハタが卵を産み付ける海藻の代用に杉の葉や藁(わら)縄、毛糸を取り付けるなど工夫した。また、「たまごをいっぱいつけてね」など児童たちの願いが書かれたプレートも付けた。
同研究会では「子供たちにこうした活動に参加してもらい、自然の恩恵を大切にしていく心を次世代に引き継いでいきたい」と話した。
酒田北港の「水路」にハタハタの産卵床を設置する関係者