2006年(平成18年) 03月24日(金)付け紙面より
鶴岡市大山地区の下池周辺の都沢地区湿地帯の貴重な自然を保全し、教育材料として活用する「庄内自然博物園(仮称)」構想を検討してきた地元住民などによる地域推進協議会(工藤昭会長)が22日、鶴岡市の大山商工会館で開かれ、地元構想をまとめた。下池東側の約7万6700平方メートルの構想区域内に池やアシ原、水質浄化区域を設けて湿地保全を図りながら、泥んこ広場や親水水路、学習交流機能をもつ拠点施設などの整備内容が固まった。
博物園構想は高館山や上池、下池とその東側に残る湿地帯などの貴重な自然を保全しつつ、遊びや学習ができる場、交流機能などをもつ施設を備え、庄内全域のネイチャーセンター的役割を持つ新しい形の自然博物園を整備するもの。
鶴岡市が計画し、「地方拠点都市地域基本計画」に位置づけて1995年度に検討を開始。地元有識者や専門家による調査研究などを経て、99年度には都沢地区を都市公園(動植物公園)として都市計画決定。鶴岡市開発公社が対象区域の土地を先行取得した。
その後、2000年に自治組織、農業団体、地元自然保護団体、学識者などによる同構想地域推進協議会を設置。これまで、構想について基本的考え方をはじめ、ソフト事業の重視、段階的な整備などの方針について協議してきた。
この日、まとまった地元構想は、地域推進協議会内に設けた専門委員会(植松芳平委員長、委員24人)が昨年9月に作成していた素案を基にしたもの。
それによると、湿地内には3つの池を配置し各池の周囲にアシ原を残す。中央東側部分には泥んこ遊びや農業体験、希少植物の育種などに利用する各広場、親水空間となる水路、湿地を活用した水質浄化区域をそれぞれ設ける。
また、施設は、60人程度が学べるスペースの学習交流室や工作実験室のほか、貴重な植物を中心とした標本展示収蔵機能などをもつ学習交流館(仮称)、水路近くには水飲み場兼手足洗い場を備えたあずまやを整備する。
今後、市や地域推進協議会では、湿地の適正保全や植生調査、市民への啓発活動などの実施計画の企画立案を進めながら、構想の具体化を目指していく。
庄内自然博物園構想のイメージ図
2006年(平成18年) 03月24日(金)付け紙面より
イタリアのベストセラー小説を原作に、米国のニューラインシネマが製作・配給を手掛ける映画「SILK」の酒田ロケが23日、酒田市の山居倉庫一帯で行われた。役者やスタッフ総勢約130人が来酒、山居倉庫と新井田川を「日本の古い港」と位置づけ、主人公のエルヴェ・ジュンクールを演じるマイケル・ピットさんが船で出入国するシーンを撮影した。
原作は、イタリアの作家、アレッサンドロ・バリッコの小説「絹」。19世紀後半、欧州一帯で蚕の病気がまん延したことから無菌の蚕卵(さんらん)を求め鎖国中の日本に密入国したフランス人のエルヴェが、山村で出会った美しい女性に引かれていくというストーリー。出演はマイケルさんのほか、エルヴェの妻のエレーヌ役にキーラ・ナイトレイさん、蚕卵元締めの原十兵衛役に役所広司さんら。
製作・配給のニューラインシネマは、「ロード・オブ・ザ・リング」など手掛けた大手。「レッドバイオリン」のフランソワ・ジラール監督がメガホンを取っている。制作費は約30億円。
日本でのロケ地は酒田市と長野県松本市。酒田をロケ地に選んだことについてプロデューサーの酒井園子さん(ビーバイン・ピクチャーズ社長)は「シベリアから日本に来るという設定だった。秋田、山形、新潟の3県をリサーチした結果、唯一、江戸時代の雰囲気が残っていた。素晴らしい場所。初めて見たときからここしかないと思っていた。石垣、倉庫がいい感じを出している」と話す。
22日に市民有志が中心となり、八幡地区の鳥海山荘付近から10トンダンプ28台分の雪を運び新井田川左岸に配置。米俵が積まれた木造船は最上川第八漁協(庄内町)から借り受けたものを使用した。「ナレーションかスーパーか現時点では分からないが、映画には『SAKATA』の地名が出てくる。地元の人が協力してくれたことに大変感謝している」(酒井さん)という。
23日はどんよりした曇り空で肌寒い中、午前7時半ごろから撮影がスタート。事前に募集した町人役の市民エキストラが付近を行き交う中、エルヴェが船で出入国するシーンを撮った。
今後はイタリア、ロシア、エジプトなどでロケが行われ、今年12月に完成する予定。来年5月に開かれるフランス・カンヌ映画祭に出品。その後、日本を含め全世界で公開されることになっている。
映画「SILK」の撮影が山居倉庫一帯で行われた