2007年(平成19年) 5月23日(水)付紙面より
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わが国の「女性消防団発祥の地」とされる酒田市で、発祥地・飛島以外では初となる女性消防団が21日、結成された。消防団の活性化を狙いにしたもので、女性ならではのソフトな感覚を生かし、高齢者宅を巡っての防火指導など、主に防火広報や災害時の後方支援を担っていく。
同市によると、わが国で初めて女性消防団が結成されたのは1910(明治43)年、飛島で。男性たちが漁で島を離れても、残された女性たちで島の安全を守るため。現在、飛島には24人の女性消防団員がおり、日ごろから消防操法の訓練で有事に備え、万一の際は消火活動に出動するなど、男性団員と同様の活動を行っている。
今回、約100年ぶりに結成されたのは、旧市をエリアとする市酒田消防団(小野健一団長)本部分団所属の女性消防団。全国的に消防団員の成り手が減る中、女性パワーで活性化を図る狙いで、飛島とは異なり、消防操法の訓練や直接的な消火活動には従事しない。
先月に市広報などで団員を募集したところ、「10人もくれば御の字」と思っていた市側に対し、予想を大きく上回る30人近い応募があった。面接を経て、うち24人が入団することになった。年齢は20代から40代まで、平均年齢は37歳。
21日に酒田地区消防組合本部で行われた辞令交付式では、酒田消防団の小野団長が一人一人に辞令を交付。新入団員を代表し、介護支援専門員の淵野琴さん(43)=こがね町二丁目=が「市民全体の奉仕者として、良心に従って誠実、公正に消防の義務を遂行する」と宣誓した。
中村護副市長は冒頭のあいさつで、「市民の生命、財産を守る崇高な使命。ゆとりをもって頑張って」、小野団長は訓示で、「決意に感謝。女性ならではの優しさや思いやりを生かし、住民の安心安全のために力を貸して」と、激励した。
終了後、淵野さんは「高齢者世帯が増えている。仕事で高齢者にかかわっていることもあり、少しでも役に立ちたいと思った。頑張りたい」と抱負を語った。
小野団長(左)から辞令を交付される女性たち