2007年(平成19年) 5月24日(木)付紙面より
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酒田市内の県立酒田商業、酒田工業、酒田北、市立酒田中央の公立4高校の統合再編問題で、市教委の石川翼久教育長は22日午後、県庁を訪れ、4校を1校に統合するよう求めた阿部寿一酒田市長名の提案書を、山口常夫県教育長に提出した。4校統合に反対した市側の突然の方針転換に、県教委側は「戸惑いがある。これまで検討した新高校のありようや理念を再検討しなければならない」と当惑を隠さないが、県教委が当初構想した内容と同じ形となることから「4校統合に向け再検討する」との考えを示した。
開校時期について、同市は提案の中で「2013年度」とした。これに対し、齋藤弘知事は23日の会見で「子供たちにとって最良の教育を施したいというのが、もともとの再編統合の考え方だ。市の申し入れはもっぱら行政側の意向であり、それで開校年次が延びることは必ずしもいいことではない。13年度開校を前提で考えることはしない」と述べ、4校一括統合の場合でも、県教委の当初計画通りに11年度開校を目指すべきとの考えを示した。
また、県教委の構想に反発して2校への再編を提案しながらも、1校への統合を再提案した市側の姿勢について、齋藤知事は「もう過ぎ去ったこと。(市の方針転換の姿勢を)詰めていっても建設的でない」とした。
県教委への提案後、市教委の五十嵐龍一教育部長は「県教委の当初の提案を受け入れるということ。(県教委の構想提示から)2年間、無駄な議論をしたわけでない」と語り、今回の市側の提案内容については、県教委との調整が済み次第、市民や小中学校のPTAに対し「責任を持って説明したい」とした。
県教委の当初の4校統合構想では、新高校の学級数は商業科3、工業科4、情報科1、普通科2の合わせて10学級が想定されたことから、今回の提案を受けた調整でも、こうした学級数を軸に検討が行われるものとみられる。
4校統合の提案内容を説明する市教委の石川教育長(左から2人目)と五十嵐教育部長=22日、県庁