2007年(平成19年) 6月16日(土)付紙面より
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鶴岡市青龍寺の金峯神社(松浦光也宮司)で15日、例大祭心天(ところてん)祭りが行われ、参拝者たちが家内安全や身体堅固を願ってところてんを食べた。
同神社の例大祭は、神事の後の直会(なおらい)で参拝者にところてんを振る舞うことから「心天祭り」と呼ばれる。ところてんを食べる由来は、季節の食べ物として神前にささげた供物のお下がり説や、梅雨の時期に胃腸を掃除するためなど諸説ある。また、ところてんを食べることで心身を清め、1年を無病息災で過ごせるとも言われる。
この日は早朝から、社務所の調理場で地区民たちが直会の準備作業に追われた。ところてんの材料のテングサは2日前から煮て固められ、棒状のところてんとなって流水で冷やされていた。
20年近くも祭りのところてんづくりをしている上野幸さん(80)=鶴岡市外内島=は、今年も夫の七郎さん(87)と協力しながら作業を進めた。七郎さんがところてんを「てんつき」に入れ幸さんが押し出すと、器に次々と透明のところてんが盛り付けられた。
この日の直会はところてんに加え、フキのいため物やマスの煮付けなど。上野さん夫婦は「ところてんは、お宮の水を使っているので風味が格別。遠くから来た参拝者にも喜んでもらえる」と話していた。
作りたてのところてんで大勢の参拝客を出迎えた