2007年(平成19年) 6月19日(火)付紙面より
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俳人・松尾芭蕉が歩いた羽黒山から月山への旧参拝道を復元整備しようという「出羽三山歴史の道整備事業」が17日、羽黒山中で行われ、市民ボランティアが羽黒山南谷(県指定史跡)から月山旧参拝道に続く旧道「大渡道(おおわたりみち)」の下草刈り作業などに取り組んだ。
出羽三山の歴史的資産を見つめ直し、次代に継承していく活動として羽黒地域の住民を中心につくるNPO法人出羽三山応援隊「蜂鼓山社中(はちこやましゃちゅう)」(星野博代表)が2002年から取り組んでいる。02―04年には羽黒山中興の祖・天宥別当が建てた別院跡の南谷の環境整備を行い「心字池(しんじいけ)」を復元するなどした。05―06年には月山6合目の旧参拝道にかつてあった平清水小屋を復元し、6合目から8合目までの旧参拝道を歩くことができるように整備した。
今年は新たに大渡道を整備。同道は南谷から羽黒山の有料道路近くの旧月山参拝道に通じる約1・5キロのわき道。道沿いには歴代別当の供養塔があるが、使われずに下草で埋もれていた。羽黒山の石段から南谷を経由して大渡道、出羽三山神社を周遊できる散策ルートづくりと、月山山頂に続く旧参拝道との活用を視野に入れ取り組んだ。
作業には蜂鼓山社中のメンバーと市民ボランティアの約30人が参加。南谷の草刈りをしたり、大渡道を登りながらぬかるんだ道を踏み固め、ブッシュを切り開く作業に汗を流した。同グループでは「大渡道を整備することで南谷に足を運ぶ人が増えたら。新たな散策コースとして活用してもらえたら」と話した。
南谷と大渡道の環境整備に精を出すボランティア