2007年(平成19年) 9月4日(火)付紙面より
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鶴岡市は3日、市内中心部でのカラス被害対策として、赤川河川敷など市内2カ所に捕獲トラップ(箱わな)を設置し、本格的にカラス駆除をスタートさせた。
市内中心部には毎年秋から冬にかけ、鶴岡公園をねぐらとする約2500―3000羽のカラスが飛来する。泉町、若葉町、馬場町、家中新町の電線や高層の建物に集団で止まり、フンなどをまき散らしている。昨年12月には鶴岡南高生徒会が中心となって署名活動を行い、対策要望書を市に提出するなど、カラス被害の軽減を訴える市民の声が強くなっていた。
市ではこれまで、ごみステーションにネットを張るなどの適正管理、樹木や電線へのテグス張りといった対策を行ってきたが、中心部から追い出すまでに至っていないのが現状だった。
このため、カラスの数を減らすことが必要と、捕殺に乗り出すことになり、8月中旬からカラスを餌でおびき寄せて捕まえるトラップの製作に取り掛かった。設置したのはカラスの集合場所となっている鶴岡南高のプール脇と餌場となっている赤川河川敷の2カ所。
今回、製作したトラップは東京都が採用した木枠の金鋼張りの「箱わな」と呼ばれるもの。中にある餌を求めて1回入ると出られなくなる構造。大きさは縦、横、高さが各約3メートル。期間は9月から2月末を予定し、捕獲数が200羽になり次第、捕獲をいったん停止する。
この日は午前中、赤川河川敷の「箱わな」に市環境課の職員ら3人がカラスの好物とされるドッグフードや豚の脂身を置き施錠。カラスの捕獲が開始された。トラップの管理は地元の猟友会が行い、週2回、餌の交換とカラスの駆除をする。市環境部環境課では「カラスの捕獲状況をみながら予定しているほかの2カ所にも箱わなの設置を進めたい」と話していた。
カラストラップが設置された=赤川河川敷