2008年(平成20年) 3月4日(火)付紙面より
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庄内町が、同町のJR余目駅前で整備を進めていた町新産業創造館のうち賃貸オフィスが完成し2日、現地で内覧会が開かれた。1937年に建てられた庄内みどり農協新堀農業倉庫雑品庫を改装したもの。コンピューターシステム開発などの「日本ユニカシステムズ」(本社・東京都中央区、小松崎福次社長)の子会社「庄内ユニカソリューション」が入居する。
新堀農業倉庫は、34年に建築された本倉庫(延べ床面積1350平方メートル)と、雑品庫(同435平方メートル)からなる。いずれも木造平屋建て土蔵造り。旧余目町長で庄内町名誉町民の建築士・故高梨四郎さん(1902―90年)が設計を担当した。
町は今回、企業誘致や雇用創出を図ることを目的に、同農業倉庫を活用し新産業創造館を設置することにし、今回は雑品庫を木造一部2階建て延べ床面積463平方メートルの賃貸オフィスに改装。中には事務室2室のほか、エントランスホール、休憩ロビーなどがある。
設計担当者によると、外観は極力元の姿を復元、内部は蔵の持つ独特の空間を損なわずにオフィスとしての性能を整え、知的生産の場にふさわしいクリエイティブな環境を目指したという。工事は昨年12月20日にスタートし2月末までに完成した。総工費は8179万円。
内覧会では、原田眞樹町長が「関係者の皆さんの協力で立派なものが完成した。ここから新しい情報を発信したい。町のシンボルとして生かしていこう」とあいさつ、町産業課の阿部金彦主幹が事業概要を説明した。
その後、参加者は施設内を見学。土蔵らしさを残すしっくいの壁をさわって「本当に土蔵だったんだ」などと話していた。
町産業課によると、庄内ユニカソリューションは4月1日に開業。当面は現地採用の11人、本社からの10人の計21人態勢で事業を展開する予定という。本倉庫については2008年度以降に整備する予定になっている。
JR余目駅前に整備された町新産業創造館