2008年(平成20年) 5月16日(金)付紙面より
ツイート
「竹久夢二美術館」が15日、酒田市の相馬樓内にオープンした。新田嘉一平田牧場会長が所蔵する「からふねや」など夢二の肉筆画10点を中心に、版画や遺品のカメラ、写真、年譜など夢二ゆかりの品を常設展示。「夢二のすべて」を知ることができる貴重な美術館になっている。
独特な美意識による「夢二式美人画」で知られ、大正ロマンを象徴する画家・竹久夢(1884―1934年)は酒田にもしばしば訪れ、200点ほどの作品を残した。
夢二美術館は、新田会長が以前から設置を計画。数多い新田コレクションの中でも、全国的に人気が高い夢二の作品群を展示することで観光客を呼び込こもうと、相馬樓1階の一角を展示スペースに改装した。
この日は、相馬樓の玄関前でオープニングセレモニー。関係者約100人が参加した。新田会長が「前から観光の目玉としてオープンしたいと思っていた。全国の夢二ファンを集め、酒田の活性化につなげたい」とあいさつした。市美術館の池田眞幸理事長、酒田商工会議所の齋藤成徳会頭らが祝辞。新田会長、JR酒田駅の古川静雄駅長ら11人がテープカットした。
館内では夢二の孫で名誉館長の竹久みなみさん(74)=東京都東久留米市=が作品を解説。「みちのくに夢二の美術館ができ、孫としてうれしく思っている」と話していた。
夢二美術館は相馬樓の入樓料(大人700円)で鑑賞できる。
夢二の作品を解説する竹久みなみ名誉館長