2008年(平成20年) 5月17日(土)付紙面より
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庄内地域の食材の良さや食文化を、首都圏や関西圏などにPRする県庄内総合支庁の「食の都庄内」親善大使の委嘱状交付式・意見交換会が15日、三川町の同総合支庁で行われた。大使の任期は1年間。
「食の都庄内」親善大使は、庄内の四季折々の多彩な食材、歴史や風土が生んだ食文化を地域固有の資源ととらえ、「庄内ブランド」の確立、イメージアップと活性化につなげる取り組みで、2004年度から始まった。
親善大使のレストラン欅(酒田市)総料理長の太田政宏さん、大阪調理製菓専門学校長の古庄浩さん、イタリア料理店・アル・ケッチァーノ(鶴岡市)のオーナーシェフ奥田政行さんの3人がそれぞれの得意分野を生かした活動を行っている。
交付式では、高橋節支庁長が3シェフに委嘱状を手渡し、これまでの取り組みや本年度の抱負、課題などについて懇談した。
昨年度までの成果として太田さんは「洋食と和食双方の調理師会でパンフレットの作成や勉強会など、和洋の垣根を越えて食の都庄内に取り組んむ機運が高まっている」と紹介した。
また、奥田さんは「全国のレストラン関係者が庄内を訪れている。庄内の気候、風土を解説しながら庄内の野菜や料理を紹介しているが、そうした取り組みが広がれば。庄内で来年開催されるスローフード全国大会に向け、地元の人が庄内の食文化を紹介できるように勉強会を企画したい」と抱負を述べた。
一方、課題について太田さんは「大量に仕入れる大きなホテルや旅館では地産地消をやり切れていない。産直は多いが首都圏に送る場合は量が必要になる。流通関係の整備と生産者に動きが伝わる仕組みづくりを」と訴えた。また、古庄さんは庄内の外からの視点として「外から発注する際に食材の情報を伝える拠点を整備できないか。生産者には市場でどういう形で並べられ、その先での使われ方を知ってもらいたい」と話した。
抱負や課題について懇談する「食の都庄内」親善大使の3シェフ