2008年(平成20年) 8月7日(木)付紙面より
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庄内ロケが進められているホラーエンターテインメント映画「山形スクリーム」(竹中直人監督、2009年公開予定)で、鶴岡市出身の俳優、國井有さん(30)=東京都在住=が出演者に庄内弁のアドバイスをしている。
同作品は山形の過疎村を舞台に、歴史研究合宿で訪れた女子高生たちが、戦国時代の落ち武者が現代によみがえる事件に巻き込まれるてん末と恐怖を描いたもの。ホラー映画が好きという竹中監督が全力を込めて取り組んでいる。
國井さんは鶴商学園高校(現鶴岡東高校)卒業後、桐朋学園芸術短期大学で演劇を専攻し俳優の道に進んだ。これまでミュージカル「レ・ミゼラブル」などの舞台に出演したほか、テレビドラマ「土曜ワイド劇場」「鉄道捜査官シリーズ」「十津川警部シリーズ」にも出演するなど活躍している。
今回の「山形スクリーム」では、庄内映画村(鶴岡市羽黒町)の宇生雅明社長の依頼で庄内弁のアドバイス役としてロケに参加。先月2日に庄内入りし、毎日のようにロケ隊に同行して方言を使う出演者に庄内弁のアドバイスを行っている。
その中で「尊敬する役者の竹中さんが監督を務める映画に出たい」という気持ちが強まり、竹中監督に出演を“直訴”したところ監督が快諾。竹中監督がふんする落ち武者の姿を目撃して驚く農夫の役柄を与えられ、今月2日までにシーンを撮り終えた。落ち武者に命を奪われた後、動く死体となってよみがえる役柄もこなす予定だ。
國井さんは「庄内弁のアドバイスでは、『だのー』や『なしたー』など庄内独特の方言や発音を出演者に伝えた。脚本にないせりふでも、監督が求める言葉を庄内弁に直すなど現場で急な対応をしなければならなかった」と語った。
また、「夏向けの怖くて面白いホラー作品に仕上がると思う。庄内弁があちこちに出てくるので地元の人たちも楽しんでもらいたい」と話していた。
「山形スクリーム」の庄内ロケは今月17日まで庄内各地で行われる予定。
庄内弁の発音などスタッフと話し合う國井さん(右)