2008年(平成20年) 8月7日(木)付紙面より
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鶴岡市の西荒屋地区でブドウのデラウエアの収穫が始まった。5日は地区内の観光農園で、ブドウ狩りに訪れた観光客が濃い紫色に染まったデラウエアの房をもぎ取る姿が見られた。
同地区周辺は広範囲でブドウの栽培が行われており、和ナシや洋ナシ、リンゴと並んで秋の主力商品に数えられている。
同地区で観光農園を経営する佐久間利一さん(68)方では、今月に入って本格的に収穫が始まった。長男の利彦さん(44)によると、「近年は大粒種の人気が高いが、この時期のお薦めはやはりデラウエア。今でも糖度は19度ほどあり、お盆には22度を超える」という。
この日は鶴岡市の保育士、坂香澄さん(24)と首都圏から里帰りした友人の会社員、佐藤明子さん(23)の2人が佐久間さん方でブドウ狩りに挑戦。たわわに実るブドウに歓声を上げ、「夏の間に鶴岡っぽいことをやろうと思ってブドウ狩りを考えた。どれも甘くておいしい」と笑顔で話していた。
デラウエアは今月いっぱいで、9月には「巨峰」「ピオーネ」「安芸クイーン」などの大粒種の収穫が始まるという。
日光を浴び濃い紫色に輝くデラウエアをもぎ取る観光客
2008年(平成20年) 8月7日(木)付紙面より
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子供たちに農業の面白さを実感してもらうJA鶴岡の「あぐりスクール」が6日、鶴岡市農村センターなどで開かれ、子供たちが米粉を使ったパンづくりやだだちゃ豆の収穫などを体験した。
次代を担う子供たちに農業について学んでもらおうと夏休み期間に毎年行っている。今年で22回目。市内の小学生を中心に遠くは上山市などから計32人が参加した。
開校式の後、JA鶴岡の青年部メンバーが「お米のおはなし」と題し、芽出しから始まり稲刈り、乾燥まで続く稲作の流れを説明し、子供たちは米づくりの大変さを実感。
続いて、お昼に食べる米粉バーガー、米粉ピザづくりに挑戦した。女性部のお母さんたちに手本を見せてもらいながら、5、6人のグループに分かれて、鶴岡産はえぬきの米粉とグルテンなどを混ぜ合わせて生地づくり。子供たちは生地をこねる力のいる作業も協力して進め、楽しみながら自分たちのお昼ごはんを完成させていた。
午後からはクイズ形式で日本の食料自給率について学んだほか、石塚光雄さん(寺田)方の枝豆畑でただちゃ豆の名前の由来やおいしいゆで方を聞き、収穫も体験した。
真剣に米粉パンの生地をこねる子供たち
2008年(平成20年) 8月7日(木)付紙面より
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庄内ロケが進められているホラーエンターテインメント映画「山形スクリーム」(竹中直人監督、2009年公開予定)で、鶴岡市出身の俳優、國井有さん(30)=東京都在住=が出演者に庄内弁のアドバイスをしている。
同作品は山形の過疎村を舞台に、歴史研究合宿で訪れた女子高生たちが、戦国時代の落ち武者が現代によみがえる事件に巻き込まれるてん末と恐怖を描いたもの。ホラー映画が好きという竹中監督が全力を込めて取り組んでいる。
國井さんは鶴商学園高校(現鶴岡東高校)卒業後、桐朋学園芸術短期大学で演劇を専攻し俳優の道に進んだ。これまでミュージカル「レ・ミゼラブル」などの舞台に出演したほか、テレビドラマ「土曜ワイド劇場」「鉄道捜査官シリーズ」「十津川警部シリーズ」にも出演するなど活躍している。
今回の「山形スクリーム」では、庄内映画村(鶴岡市羽黒町)の宇生雅明社長の依頼で庄内弁のアドバイス役としてロケに参加。先月2日に庄内入りし、毎日のようにロケ隊に同行して方言を使う出演者に庄内弁のアドバイスを行っている。
その中で「尊敬する役者の竹中さんが監督を務める映画に出たい」という気持ちが強まり、竹中監督に出演を“直訴”したところ監督が快諾。竹中監督がふんする落ち武者の姿を目撃して驚く農夫の役柄を与えられ、今月2日までにシーンを撮り終えた。落ち武者に命を奪われた後、動く死体となってよみがえる役柄もこなす予定だ。
國井さんは「庄内弁のアドバイスでは、『だのー』や『なしたー』など庄内独特の方言や発音を出演者に伝えた。脚本にないせりふでも、監督が求める言葉を庄内弁に直すなど現場で急な対応をしなければならなかった」と語った。
また、「夏向けの怖くて面白いホラー作品に仕上がると思う。庄内弁があちこちに出てくるので地元の人たちも楽しんでもらいたい」と話していた。
「山形スクリーム」の庄内ロケは今月17日まで庄内各地で行われる予定。
庄内弁の発音などスタッフと話し合う國井さん(右)