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2009年(平成21年) 2月18日(水)付紙面より

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移管先決定に疑問の声 松林荘 酒田市選定経過めぐり

 来年4月に予定する酒田市養護老人ホーム「松林荘」の民間移管に伴い、市が同市内の社会福祉法人を対象に新しい施設の建設運営計画を公募し、庁内の選考委員会を経てこのほど、ある法人を移管相手に決めたことをめぐり、選に漏れた法人が、決定に至る経緯を疑問視している。市は16日、計画を提出した4法人を市役所に呼んで評価内容などを伝えたが、移管先に決まった以外の3法人は納得できないとし、さらに説明を求める申し入れ書を提出する考え。

 松林荘は1975年、緑ケ丘二丁目の現在地に建築。基本的に入所者が自立して生活する養護老人ホームで、現在は定員(70人)に満たない50人余りが暮らしている。

 しかし建物が老朽化。また、介護を必要とする入所者が増えてきていることもあり、市は「入所者の利便性を考慮し介護サービスも提供できる特定施設にしたい」(阿部直善健康福祉部長)との考えから、特別養護老人ホームを経営する法人への移管を決めた。

 昨年12月下旬、市内7法人に対し、新たな施設建設計画の公募予備説明会を開催。定員は50人で特定施設の指定を受けられること、職員配置や施設面積が基準を満たしているなどの移管条件を説明した。今年1月23日には市の整備補助金(3億円)も正式に通知。今月5日までに計画書を提出するよう求めた。

 これに4法人が応募。副市長はじめ関係部課長らでつくる選考委員会で審査し、木造の施設を市北部の林間に建設することを提案した法人が最高の評価を得て移管先に決まったことを16日、各法人に報告し、計画の評価内容なども説明した。

 ほか2法人と同様に鉄筋コンクリート造りの施設を提案して選に漏れた酒田市内の社会福祉法人の理事長は「以前に老人ホームで火災があり多数の犠牲者が出たことから、近年は(燃えにくい)鉄筋コンクリートの施設が基本になっている」と指摘。その上で「何とか計画書を作成したが、公募発表から計画書提出までの期間が短すぎる。市の予算が明示されてからは、わずか2週間。よりよい施設を造るためにも、もう少し余裕があっていいのでは。その中で、(移管先に決まった)法人は土地の取得が済み、開発許可も得ていると聞いた」と述べ、計画立案期間の短さや選考過程に疑問を投げ掛けた。

 また、別の法人の役員は「老人ホームなどは近年、地元住民らと触れ合えるよう市街地に建設するのが主流。今回の決定は見識がおかしいと市に申し上げた」と語った。さらに、「市のヒアリングもあり、公正に評価してもらえると期待していたが、結果的にはうわさ通りの法人に決まった。“出来レース”と思われても仕方ないのでは」と述べ、市職員だけで構成されている選考委員会に外部委員を入れ「透明性を高めるべき」とした。

 今後これら法人の代表者らは「市側の説明内容は不満」とし、あらためて説明を求める申し入れ書を近く提出するとしている。

来年4月に民間移管され閉鎖される計画の松林荘
来年4月に民間移管され閉鎖される計画の松林荘



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