2009年(平成21年) 6月21日(日)付紙面より
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旧松山町にもアトリエを構え、最上川を描き続けた画家、真下慶治さん(1914―93年)の作品「夏の河畔」(相沢川付近)が19日、夫人で著作権継承者の清美さん(65)=山形市在住=から、酒田市松山地域の内郷小学校(保科元校長、児童84人)に贈られた。
内郷小の創立100周年を祝おうと、慶治さんの作品のうち同校近くで1990年ごろに描かれた作品を清美さんが選び、寄贈した。
この日は同校体育館で贈呈式。保科校長が「真下さんは『現場で描き続けた画家』と言われる。作品は優しい色が多く、見ていて心が温まる。清美さんには100周年記念事業の一環で寄贈いただき、花を添えてもらった」とあいさつした。
同校教育後援会の後藤繁喜会長に作品を寄贈した清美さんは、「夫は雪の上で4時間も描いた。絵に集中すると、寒さを感じないのだそうだ。皆さんも、飽きずに集中することが大事」と呼び掛けた。
児童を代表して6年生の宮川華那里さん(11)が「真下さんは最上川を愛していたのだと思う。絵を見て作者の気持ちが伝わってきたのは初めて。びっくりした。これからも、いただいた絵を大事にしていきます」とお礼を述べた。
同校では作品を校長室に展示。27日に開く相撲大会の際はシートを敷いて土足で入室できるようにし、地域の人々にも気軽に見てもらえるようにするという。
内郷小の子供たちに囲まれて笑顔の清美さん(中央)。手にしているのが寄贈した「夏の河畔」