2009年(平成21年) 7月22日(水)付紙面より
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2006年3月に閉校、来月には校舎の解体工事が始まる旧酒田市立東陽小学校で19日、地元住民による「校舎お別れの集い」が開かれた。卒業生や元教員などが思い出を懐かしみながら校舎に別れを告げた。
同校は旧平田町立北俣小と同町立中野俣小の2校が統合し、平田町立東陽小学校として1967年に創立。合併により2005年11月に酒田市立となった。しかし、少子化に伴う児童減少や校舎の老朽化が進んだため南平田小との統合が決まり、06年3月に東陽小は閉校。これまで校舎の活用方法について酒田市が検討していたが、解体が決まった。
これを受け、閉校当時のPTA役員を中心に地元住民たちが「学びやの思い出を語り、最後の姿を見送ろう」と実行委員会(佐藤良広委員長)を組織して「お別れの集い」を企画した。
この日は地元住民や元教員など約80人が同校を訪れ、教室や職員室、音楽室などを見学。「全然変わっていない」と懐かしむ姿が見られた。校舎内に設けられた寄せ書きコーナーには「お疲れさま」「赤い屋根の学校を忘れません」といったメッセージが書き込まれ、お別れパーティーでは大人から子供までバーベキューを楽しんだ。
4年前に同校を卒業した阿部友紀さん(16)=酒田東高2年=は「今はまだ目の前に校舎があるけど、壊されて無くなった時は悲しくなると思う。学校の赤い屋根が見えなくなるのは残念」と話していた。
卒業生たちが学びやの姿を目に焼き付けようと各教室を回った