2009年(平成21年) 10月12日(月)付紙面より
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日本将棋連盟「奨励会三段リーグ戦」で好成績を収め、今月1日付で「プロ」とされる4段に昇段した酒田市出身の阿部健治郎さん(20)=東京都在住=の昇段を祝う祝賀会が10日、同市勤労者福祉センターで開かれた。阿部さんは「タイトルを目指したい。応援よろしくお願いします」と力強く語った。
阿部さんは、5歳のころから父と兄が将棋を指しているのに興味を持ち、小学1年の時から故土岐田勝弘8段(棋道師範、昨年10月逝去)が主宰する同市の土岐田将棋道場に通い始めた。同4年でアマ初段位。同6年からは月に1、2回、宮城県の加部康晴道場に通い、その後、同連盟奨励会(西村一義9段門下)への入会を果たした。酒田南高卒業後に上京、本格的にプロ棋士を目指していた。
今期(第45回)の奨励会三段リーグ戦(33人参加)では18対局中、13勝5敗の好成績を収め今月1日付で昇段が決定、プロ棋士となった。県内からは26年ぶりのプロ誕生という。アマ時代の棋歴には全国中学生選抜将棋選手権準優勝などがある。
祝賀会は、同連盟荘内支部(佐々木清支部長)の主催で、師匠の西村9段はじめ将棋関係者ら約60人が出席。佐々木支部長が「待望のプロ棋士誕生。阿部さんに対し、土岐田先生が常々、『プロに向いている』と話していたことを思い出す。一流の棋士になることを祈る」、西村9段が「才能豊かで努力もしており、今後が期待できる若者。あとは運を味方に付ければタイトルを狙える。温かい目で応援していただきたい」とそれぞれあいさつした。
同連盟県支部連合会の山口雅則会長、酒田市の中村護副市長らの祝辞に続き、登壇した阿部さんは「山形は大会に恵まれ、将棋をする上で本当に良い環境。このような環境で力と自信を付けることができた。皆さんの期待に応えられるようタイトルを目指したい」と謝辞を述べた。
阿部さんによると、プロとしてのデビュー戦は12月の予定。
祝辞などを受け謝辞を述べる阿部さん(右)。左は師匠の西村9段