2009年(平成21年) 10月21日(水)付紙面より
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鶴岡市立加茂水族館(村上龍男館長)で19日、「クラゲを食べる会」が開かれた。フランスのテレビ番組制作会社のスタッフが訪れ、クラゲを食べる“不思議なイベント”を興味深そうに取材していった。
同館は、庄内浜にも食用となるクラゲが多数生息していることをヒントに、「漁業者にとって邪魔者のエチゼンクラゲを食べ、クラゲ水族館をPRしよう」と2000年に初めて「食べる会」を企画。以来、沿岸にエチゼンクラゲが発生する秋ごろに開催している。昨年、一昨年は発生数が少なく、開かなかったため今回は3年ぶり。
今回は、フランスの海洋紀行番組「THALASSA(タラサ)」の制作会社キャパ・プレスから3人のスタッフが取材で来館。一行は番組のテーマでクラゲを扱うことになり、日本でエチゼンクラゲが大量発生している状況などを取材するため今月10日ごろ来日し、北陸地方などを回った後、庄内入りした。
食べる会には同館のボランティアスタッフや湯野浜温泉の旅館関係者、市職員など約50人が参加。エチゼンクラゲのしゃぶしゃぶや刺身、押し寿司、クラゲとひじきの変わりご飯、クラゲ入りの蒸しパンなど、村上館長が考案し同館職員の田澤由喜さん(55)が調理した10品を味わった。
キャパ・プレスの一行も取材終了後、しゃぶしゃぶや蒸しパンを恐る恐る口にした。カメラマンのフィリップ・ラニエさん(40)は「ソースの味だけでクラゲ自体は無味。歯ごたえはぷりっとしていてクラゲらしい」と感想を語り、「99%が水分のクラゲを食べるという発想に驚いた。もともと生ものを食べる習慣はあまりないのだが、白和えなどはとてもおいしいと思った」と話した。
一行が今回取材した内容は来年6月にフランス国内で放送されるという。
「クラゲを食べる会」の様子を撮影するフランスのテレビ番組制作会社スタッフ