2009年(平成21年) 5月10日(日)付紙面より
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「母の日」(10日)を前に、庄内地方の各生花店では、古里の母への贈り物などとして県内外から注文が入った生花のフラワーアレンジメント作りなどに追われている。
鶴岡市山王通りの「コンノ生花店」(今野安治社長)では9日、朝からバスケット型のアレンジメント作りなどで大忙し。今野社長によると、インターネットなどを通して県外から配達の注文が多く、「10日の配達を終えるまで目が回るほど」。
同店での売れ筋は3000円台の生花のアレンジメント。なかでも青みがかった薄紫色の珍しい品種のカーネーションが3本入った小ぶりのバスケット型のアレンジメントが人気。
今野社長は「離れて暮らす母に送る注文が多い。母の日には送り主の気持ちを届けたい」と話していた。
母の日を前に各生花店では古里の母に贈る生花のアレンジメント作りなどで大忙し
2009年(平成21年) 5月10日(日)付紙面より
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鶴岡市にある慶應義塾大先端生命科学研究所(冨田勝所長)が、最先端の4つの研究プロジェクトの「研究助手」として鶴岡中央高の生徒4人を任用することになり、8日、同校近くの鶴岡メタボロームキャンパスで任用式を行った。4人は、各プロジェクトを担当する若手研究者に付き、11日から放課後に研究助手として勤務する。研究活動に高校生を起用する冨田所長は「学習が主目的でなく、実際の研究で助手として貢献してもらう。こうした試みは全国初ではないか」と話している。
同研究所は、2001年の開設当初から高校生を対象とした合宿形式のバイオテクノロジー体験プログラムを実施するなど、若手の人材育成事業に取り組んでいる。今回、新たな展開として、高校生から本格的に研究の現場に入ってもらう助手の任用事業を、荘内銀行の支援を受けて実施することになった。冨田所長は「鶴岡から日本を背負って立つような科学者を輩出することと、偏差値重視の日本の教育を鶴岡から変えたいという2つの強い思いから始めた」と強調する。
研究助手として任用されたのは、3年の阿部博明君(17)と1年の工藤奨君(16)、佐藤瞳さん(15)、角田太郎君(16)。「自然科学に強い興味と情熱を持ち、週10時間以上勤務できる」ことを条件に、冨田所長が研究施設に隣接する同校へ説明会に出向くなどして生徒に呼び掛け、希望した21人の中から筆記試験と面接で4人を選抜した。
任用式で冨田所長は「勉強が目的でなく、働いて貢献してもらうのが目的。世界最先端の研究に携わるという責任と誇りを持って取り組んでほしい」と激励。4人には任用証と研究助手用の白衣が手渡された。
生徒たちは7月下旬まで放課後に週10時間以上、研究施設に勤務し、バイオ燃料や有機化合物の人工合成、寿命遺伝子などの研究プロジェクトに携わり、培養やコンピューターを使ったデータベース参照などをサポートする。勤務という形態を取るため、生徒たちにはアルバイト代の報酬も支払われる。
研究助手を希望した動機について生徒たちは「大きく言えば、人類に貢献できる研究に携わることができると思った」「世界最先端の研究に触れるめったにないチャンス」など興奮気味に語った。冨田所長は「研究助手の任期は1学期の予定だが、研究内容によっては継続もある。日本の科学教育を変えようという制度でもあり、それは1年では変わらない。来年度以降も継続していく」と話した。
研究助手の任用証を手に冨田所長(後列中央)の激励を受ける鶴岡中央高の4人(前列)