2009年(平成21年) 7月30日(木)付紙面より
ツイート
鶴岡市と兄弟都市の盟約を結ぶ鹿児島市の中学生親善使節団が28日から3泊4日の日程で鶴岡市を訪れ、兄弟の契りの歴史を学ぶとともに地元の中学生と交流を深めている。
両市の交流は、戊辰戦争(1867―68年)で庄内藩が降伏した際、薩摩藩の西郷隆盛(南洲)翁のはからいで処罰が寛大だったという歴史的な縁がきっかけで、1969年11月に兄弟都市の盟約を締結した。71年からは両市の中学生が1年おきに相互訪問する交流を続けている。鹿児島からの訪問は今回が20回目、兄弟都市盟約は40周年の節目を迎えた。
今回は鹿児島市立天保山中学の片平理校長を団長に、30校の生徒会代表ら中学2、3年生の男女30人と引率者の計34人が羽田空港経由の空路で来鶴した。
初日の28日は市役所で歓迎式があり、黒神中学3年の信吉佳代さんが「鶴岡のことをたくさん学んで鹿児島の中学生に伝えたいと思う。そして、今回の訪問を中学校生活の思い出にしたい」とあいさつ。富塚陽一市長が「鹿児島とはどこよりも懐かしくお付き合いさせてもらっている。鶴岡訪問を楽しんでほしい」と歓迎した。
一行はこの後、国指定史跡の旧庄内藩校致道館を訪れ、南洲翁と庄内とのかかわりなどを学んだ。29日には鶴岡市内の中学生と羽黒山の石段登りなどで交流を深め、松ケ岡開墾場、国指定重要無形民俗文化財・黒川能の王祇会館を見学。30日は最上川舟下りを体験し、酒田市の南洲神社訪問、加茂水族館見学などを予定している。
致道館で鶴岡との交流の歴史を学んだ鹿児島の中学生たち
2009年(平成21年) 7月30日(木)付紙面より
ツイート
吉村美栄子知事との対話を通して小学生から県政に関心をもってもらう「子ども知事室」が28日、県庁などで行われ、県内各地から参加した小学5、6年生計16人が、知事と県の将来などについて懇談した。
体験を通じて県政や公共事業について関心を持ち、郷土への理解を深めてもらおうと、2007年度から実施している。本年度は、1回につき県内4地区から4人ずつ計16人が抽選で選ばれ、28日、30日、8月4日の計3回に分けて実施する。
初回の28日、庄内からは去渡敬昭君(鶴岡市立東栄小5年)、高橋京助君(酒田市立松陵小6年)、門崎真有子さん(同亀城小5年)、菅原雅さん(遊佐町立遊佐小6年)の4人が参加した。
子供たちは、県政の概要説明を受けた後、県庁知事室で吉村知事から「1日知事」の辞令を受けた。続いて、県産品による「地産地消弁当」を食べながら懇談。
「どうして知事になったのですか」(菅原さん)、「夏休みはありますか」(去渡君)「なぜ山形は子供の数が少ないのですか」(高橋君)などの質問に、吉村知事は「山形県をもっと良くしたいと思ったから」「お盆のころにもらえそう。今から楽しみ」「いろんな原因があるが、子供を産み育てるのに不安な気持ちを取り除けるようにしたい。子ども政策室をつくって頑張っている」などと笑顔で答えた。
また、県の財政や世界遺産登録の質問も飛び出し、吉村知事が「議会の質問みたい」とたじろぐ場面もあった。
一方、知事からの「どんな山形県になってほしい?」という質問に子供たちは「明るく元気なまちにしたい」「介護を充実させたい」などと真剣な表情で答えていた。
吉村知事の印象について、門崎さんは「誰にでも笑顔で接して明るい人。一生懸命に山形を良くしようと、いろんなことを考えていてすごい」と話した。
「1日知事」たちはこの後、県工業技術センターの現場視察を行うなどし、県の仕事に理解を深めた。
参加した小学生に吉村知事(右)が「1日知事」の辞令を交付