2010年(平成22年) 5月26日(水)付紙面より
ツイート
庄内三大祭りの1つで、「みちのくの奇祭」として知られる鶴岡市の天神祭が25日、本祭りを迎えた。午前中は前日までの雨が上がり、時折日が差す天候となった。同市神明町の鶴岡天満宮には「化けもの」に扮(ふん)した子供たちが訪れ、学業成就や身体堅固などを願う姿が見られた。
天神祭は、菅原道真公を祭る鶴岡天満宮の祭礼。道真公が京から九州の大宰府に流されるとき、道真公を慕う人々が姿を変え顔を隠してひそかに酒を酌み交わし別れを惜しんだ、という故事をもとにしたと言われている。長じゅばんに角帯を締め、編み笠と手ぬぐいで顔を隠した市民が、無言で酒を振る舞う独特の習わしから「化けもの祭り」とも呼ばれてきた。化けもの姿で3年間、誰にも正体を知られずお参りできると願い事がかなうと言い伝えられている。
本祭りの25日は午前中、鶴岡天満宮をお参りする家族連れでにぎわった。前日の雨の影響か、例年より出足が鈍かったものの、子供の化けものたちが祭り客に酒やジュースを振る舞ういつもながらの祭り風景が見られた。また、境内では伝統の天狗舞や獅子舞の奉納上演が行われた。
天満宮や市役所周辺では祭り囃子(ばやし)が流れ、市街地の各所では前日の24日から「手踊り」が披露されるなど祭りムードを盛り上げ、鶴岡公園には露店が軒を並べた。
呼び物のパレードには昨年より400人多い総勢約2800人が参加。祭りのシンボル・菅原道真公を中心とした「天神はんくねり」は中央児童館、小学生の踊りフェスティバルなどの「にぎわい天神パレード」はJR鶴岡駅前をそれぞれ午後2時にスタートした。