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2010年(平成22年) 6月26日(土)付け紙面より

「万里の松原に親しむ会」 チップ敷き「芭蕉古道」整備

 かつて、松尾芭蕉もたどった酒田市光ケ丘地区の里道「芭蕉古道」を整備している同市の環境保全団体「万里の松原に親しむ会」が24日、路面に木材チップを敷き詰めて一連の作業を終えた。三沢英一会長は「みんなに歩いてもらいたい」と話している。

 整備区間は、市相撲場駐車場の西から北に延長約250メートル。クロマツ林に囲まれており、市民の散策路にもなっている。同市の郷土史家・須藤良弘さんによると、この道は北国街道の旧跡で、越後(新潟)方面と秋田を結ぶ重要な役割を果たしていた。日本海沿いを北上することから浜街道、酒田からは特に秋田街道とも呼ばれていたという。

 元禄2(1689)年、「奥の細道」を旅する芭蕉一行もここを往来。当時は砂丘地で、風が強い日は空が真っ暗になるほど砂が飛び歩行も困難だったが、本間光丘をはじめとする先人たちが大変な苦労の末に植林し、白砂青松の地に変えた。

 「万里の松原に親しむ会」は、先人が築いた貴重な遺産を次代に引き継ごうと、2001年に結成。現在は102個人、15団体が加入し、光ケ丘地区などで森林整備、環境美化などの活動を精力的に続けている。

 「芭蕉古道」の整備は活動の一環。そばに酒田新高校(仮称)が建設されるこの道を歩きやすく改良し、多くの市民に利用してもらおうというもの。先月末に着手。段差を小さくするなど整地を行ってから、防風柵として使われていた直径10センチほどの間伐材を再利用して路肩の両側に打ち込み、道幅を示した。

 この日は、長さ3―5センチほどのクロマツチップを、幅1・5メートルの路面に敷き詰める最終作業。チップの材料は新高校建設のために伐採されたクロマツの根っこなどで、地元の工務店がチップ化に協力した。

 使用したチップは2トントラック3台分。メンバー25人が、一輪車やバケツで運んだチップをレーキで厚さ5センチほどにならし、足に優しいウッドチップの道を完成させた。

 三沢会長は「かつては芭蕉も歩き、そして人の営みの結果、これだけの美林になったという歴史も感じながら、チップを敷いたことで一味違うこの道を、みんなに歩いてもらいたい」と呼び掛けている。

「万里の松原に親しむ会」のメンバーたちが「芭蕉古道」にクロマツのチップを敷き詰めた
「万里の松原に親しむ会」のメンバーたちが「芭蕉古道」にクロマツのチップを敷き詰めた



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