2010年(平成22年) 8月28日(土)付紙面より
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鶴岡市羽黒町の出羽三山神社の山伏修行「秋の峰」が26日、羽黒山などを舞台に始まった。残暑厳しい中、全国から集まった山伏たちが「生まれ変わり」の行に励んでいる。
同神社の山伏修行は、出羽三山の開祖・蜂子皇子による羽黒山古修験道を受け継ぐとされる。四季ごとの大きな修行のうち、秋の峰は一般に開放している最大のもの。今年は北海道から福岡県まで、20歳から80歳までの162人が入峰(にゅうぶ)した。うち34人が「初度位」と呼ばれる初参加者。
初日の26日は正午すぎ、手向の下宿(明光院)を出発。ほら貝を鳴らしながら長い列になって宿坊街を歩き、途中、薬師神社では大先達の緒方久信宮司が、背負った笈(おい)に新しい生命を宿すとされる「梵天投じ」の儀式を行った。随神門から石段を登り、羽黒山頂に向かった。
修行はいったん死に、新しく生まれ変わるとされる「擬死再生」の行。一行はこの日から9月1日まで7日間にわたり、羽黒山中腹の吹越峰中堂(ぶちゅうどう)に寝泊まりしながら、月山山頂や秘所・東普陀落(ひがしふだらく)などを巡る山駆け、自分自身の葬式とも言われる柴灯祭、トウガラシをいぶした煙の中に居続ける「南蛮いぶし」、断食などの行に挑む。