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荘内日報ニュース


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2011年(平成23年) 2月13日(日)付紙面より

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大山新酒・酒蔵まつり 寒仕込みにファン殺到

 4つの酒蔵がある鶴岡市大山地区で12日、恒例の「大山新酒・酒蔵まつり」が開かれ、県内外から訪れた大勢の日本酒ファンがスタンプラリーで酒蔵を巡り、各酒蔵自慢の酒を楽しんだ。新たな企画として4酒蔵の銘酒をベースにしたオリジナルカクテルのコーナーも設けられ、まつりに参加した女性たちからは「女性にとってはうれしい企画。とてもおいしい」と好評だった。

 まつりは、新酒仕込みの最盛期に合わせて「酒どころ大山」をPRし、地域活性化につなげようと、地元で実行委員会をつくり1996年から開催。蔵出しの寒仕込みの新酒が味わえるイベントとして人気があり、県内外から「大山ファン」が訪れている。16回目の今回も2000人を超える人がスタンプラリーに参加した。

 酒蔵を巡るラリーは、この日正午にスタート。開始を前に各酒蔵には新酒を楽しもうと長い行列ができた。参加者たちは代表銘柄「白梅」の羽根田酒造、「出羽ノ雪」の渡會本店、「冨士」の冨士酒造、「大山」の加藤嘉八郎酒造の4酒蔵と漬物の「本長」など7カ所のポイントを巡った。

 家族や友人と訪れ、酒蔵で搾りたての新酒を堪能した鶴岡市余慶町の会社員、横須賀和浩さん(45)は「今年で4回目。茨城県出身で、鶴岡に来てから日本酒ファンになった。今年の酒もとてもおいしい。毎年、参加者が増え、すごい。地域振興のためにも、こういうイベントはいいのでは」と話した。

 カクテルコーナーは大山コミュニティセンターに設けられ、事前にチケットを購入した人たちが次々と訪れた。日本バーテンダー協会東北本部庄内支部(鈴木克人支部長)のメンバーが、各酒蔵の銘酒をベースに紅梅や雪のように輝く宝石などをイメージして考案した4種類のカクテルを提供。友人グループで訪れた鶴岡市内の40代の女性は「日本酒をあまり飲めない人でも楽しめ、若い女性の人たちからも喜ばれるのでは。来年以降もぜひ続けてほしい」と話していた。

ラリー参加者たちが各酒蔵を巡り、新酒を堪能。飲む人、順番を待つ人それぞれに笑顔が広がった
ラリー参加者たちが各酒蔵を巡り、新酒を堪能。飲む人、順番を待つ人それぞれに笑顔が広がった


2011年(平成23年) 2月13日(日)付紙面より

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ほのかな光 藤島城址照らす

 鶴岡市藤島の藤島城址周辺で11日、「藤島城址雪灯篭(どうろう)まつり」が開かれ、住民手作りの雪灯篭がほのかな光を放ち、藤島の冬を彩った。

 地域の歴史、自然を生かした冬季のにぎわい創出として2009年から始まった。過去2回は市藤島庁舎が主催したが、3回目の今年は地域住民らで実行委員会(代表・朝比奈友明藤島城址保存会長)をつくり、地元企業や団体から協賛金を募り、手作りイベントとして開催した。

 この日は親子連れなど地域住民約200人が参加。午後2時ごろから灯篭に入れるキャンドルを作り、その後、事前に藤島城址周辺に作っておいた高さ約2メートルの灯篭の土台を移植べらなどで掘って成形、同4時すぎに点灯した。

 周囲が暗くなるにつれて、灯篭の火が赤く照り映えた。通行人の若者たちが携帯電話のカメラで記念撮影する光景が見られた。

 点灯に前後し、城址南側の藤島ふれあいセンター駐車場でもちつきと振る舞いもち、振る舞い酒が行われた。参加者たちは、南北朝期から約1300年とも言われる城址の歴史に思いをはせながら、雪見酒を楽しんでいた。

藤島城址周辺でほのかな明かりを放つ雪灯篭
藤島城址周辺でほのかな明かりを放つ雪灯篭


2011年(平成23年) 2月13日(日)付紙面より

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森の時間37 ―山形大学農学部からみなさんへ―

森の学校 ―冬編―  小野寺 弘道

 昨日から降っていた雪も止み、白銀の世界はまぶしく輝き、静まりかえっています。聞こえてくるのは子どもたちの元気な歓声だけです。大学演習林としては世界一雪の多い山大演習林で今年度3回目の森の学校が始まりました。森の学校のねらいは子どもたちが森の中で遊びながら森に学ぶことです。改めて「遊ぶ」という言葉を調べてみましょう。広辞苑には「日常的な生活から心身を解放し、別天地に身をゆだねる意。」とあります。ですから、森の学校の舞台は、非日常的な生活を提供してくれる別天地、森です。

 ところで、冬の森は夏とは全く趣を異にします。小さな植物たちは雪に埋もれて姿を消し、木々は葉を落とし枝と幹だけとなってスッキリしていて、森の中は見通しが良くなっています。冬の森は、夏以上に非日常的な別天地を提供してくれそうです。冬の森の学校のキャッチコピーは「雪と遊びながら雪を科学する」です。「ドクタースノー(雪断面の観察)、スノートレッキング(動物の足跡追跡、冬芽の観察)」、「冬山サバイバル(かまくら作り)」、「南極探検ごっこ(雪上車・スノーモビル体験)」など、大人も参加したくなるようなメニューが盛りだくさんです。

 「森の学校―夏編―」(2010年8月12日付の本紙に掲載)に「子どもたちは気持ちの集中と発散の天才である」と書きました。このことに気づいたスタッフの学生たちは、集中してほしいメニューを実施するにあたり、ある工夫をしました。子どもたちを幾つかの班に分け、それぞれの班に班長を置き、測定する子、フィールドノートに記録する子という具合に役割を分担し、それぞれが責任を持つようにしたのです。うまくいきました。子どもたちは協力し合い、背丈を超える雪壁を相手に雪の種類、密度、硬さ、温度などを一生懸命になって調べ始めたのです。手の届かない高さにある雪は大学生の肩車に乗せてもらって調べました。こうして子供たちは、一見すると何の変哲もない白い雪壁が、実は様々な性質を持った雪の層からなり、層毎に物理的な性質が異なることを学んだのです。

 次は雪面に残された動物たちの足跡の観察です。ようやくノウサギの足跡を見つけました。ピョンピョンと勢いよく飛び跳ねて移動しながら、雪面のあちこちに顔を出している灌木の皮を食べていたことがわかりました。「昔はいっぱいいたんだけどな。若い植林地が少なくなったせいかもしれない。」と演習林のベテラン職員が説明してくれました。

 子どもたちは遊びを生み出すのが得意です。白い斜面を見つけると駆け登り、身体全体をソリにして滑降を始め、次々に、延々と続けます。みな雪まみれになりながら。子どもたちは遊びの天才であるとつくづく感心させられます。そして、このような遊び心を大人になっても忘れずに持っていて欲しいと思います。子ども時代の森林体験は、大人になってから、きっと何かの形で活きてくると確信します。

 私事で恐縮ですが、私はこの春に山形大学農学部を定年退職します。森の学校は、私が農学部に赴任してきた2000年の秋から始めました。10年ひと昔といいます。始めたころの小学生は中学、高校を経て大学に進学する年ごろになります。昨年の春、森の学校を体験した子が山形大学農学部に入学してきました。とても嬉しいことです。私にとってこの上ない森の賜です。つるおかの森からこのような素晴らしいおみやげをいただいて農学部を卒業できることを幸せに思います。

(山形大学農学部教授、専門は流域保全学および森林雪氷学)

雪のブナ林―ここから物語が聞こえて来そうな!湯殿山にて=自然写真家・斎藤政広
雪のブナ林―ここから物語が聞こえて来そうな!湯殿山にて=自然写真家・斎藤政広



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