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荘内日報ニュース


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2011年(平成23年) 3月19日(土)付紙面より

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不安募る燃料不足 徐々に改善

 東日本大震災の発生から18日で1週間となった。庄内地方では一部の停電を除き直接的な被害はほとんどなかったものの、燃料の供給不足への懸念から、ガソリンスタンドには連日、長い列ができるなど、市民も不安といら立ちを募らせ始めている。17日には被災地の一部の油槽所が在庫を出荷し始めるなど、明るい材料があるが、地元の油槽所でも「供給はまず被災地優先」で、潤沢な供給にはいましばらくの辛抱が必要のようだ。

 17日午後、鶴岡市内の県道沿いのガソリンスタンドでガソリンの販売が始まると、車が次々と並び、約200メートル先の交差点まで続いた。車列の横をすり抜けようとした通行車に、対向車の若者が怒鳴るなど一時ぎすぎすした雰囲気になった。

 同市の30代男性会社員は「残りわずかというわけではないが、いつ、どこで手に入るか分からない。営業している店を見掛けたら小まめに給油している」と不安を語る。

 同市の30代主婦は「買い物や子供の送り迎えなど、車がないと生活できない」、仕事帰りの50代の女性会社員は「被災地が最優先だが、車は仕事でどうしても必要」、近くを通り掛かった70代男性は「車を使うのは買い物ぐらい。大きな不安はないが、こんな状態がいつまで続くのか心配だ」とそれぞれの思いを語る。

 同市文下の荘内運送は「稼働率は震災前に比べ、8割程度まで落ち込んだ。毎日のように燃料確保に追われている。このままでは物流が止まる」とため息。事業所などから被災地への救援物資の輸送依頼が相次いでいるが、「輸送先での燃料確保が難しく、輸送は困難。早急に解決してもらいたい」と苦境を訴える。

 同市茅原の老人保健施設「のぞみの園」では、デイサービスの送迎車のガソリンを確保するのも難しくなりつつあり、「福祉車両も緊急車両に準じて給油させてもらいたい」とする。

 同市内の別のガソリンスタンドでは「(震災直後から滞っていた供給が)15日ごろから再開され、ようやく緊急車両用に4キロリットルが入った。これから安定して届くことを期待」と、状況が徐々に改善している様子を話す。

 石油元売り大手2社が共同経営し、ガソリンや重油など石油製品を一時的に貯蔵している酒田市大浜の東西オイルターミナル酒田油槽所では、貯蔵可能量約3万5000キロリットルに対し18日現在、約半分の石油製品を貯蔵している。元売りの指示でタンクローリーに給油する。16日までは給油を受けるローリーがほとんど来ない状況だったが、17日からローリーが増え始め、18日は「通常の6―7割まで回復している」(同油槽所)。

 同油槽所では「今は仙台圏と山形市周辺への供給が中心で、地元は一部。被災地優先なので、地元に十分に回るようになるのはまだ。ただ、徐々にモノは動いており、状況は改善していく」とみる。

 元売り各社でつくる石油連盟(東京都)によると、東北地方の油槽所の多くは太平洋側にあるが、その多くが今回の震災の影響で止まった。ただ、複数の元売りの油槽所がある塩釜で17日、出光興産の油槽所が出荷を始めた。同連盟では「他の施設も徐々に復旧していく。ただ、港湾施設が復旧しないため、船による大量の供給はまだできない。新潟を中心に、酒田や秋田など日本海側の油槽所や関東からローリーや鉄路で運んでいる。車両が少ない上、陸路なので往復に時間がかかる。被災地が優先なので、それ以外の地域に潤沢に供給できるまでもう少し時間がかかる。在庫を止めているわけではない」と理解を求めている。

 海江田万里経済産業相は17日、会見で、関西地方の製油所の稼働率を上げるとともに、同地方のローリー300台など700台のローリーを大量投入することで、数日中に東北地方の供給不足を緩和する方針を示している。

庄内地方のガソリンスタンド前に連日、給油を求める車で長い行列ができる=17日、鶴岡市内
庄内地方のガソリンスタンド前に連日、給油を求める車で長い行列ができる=17日、鶴岡市内



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