2011年(平成23年) 3月20日(日)付紙面より
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東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市の特別養護老人ホーム「雄心苑」の入所者66人と職員4人が18日午後、航空自衛隊のヘリコプターで庄内空港に搬送され、庄内各地の特養施設に避難した。
県によると、宮城県から14日ごろ、津波被害で孤立状態にある同ホーム入所者の受け入れ要請があった。人数が多いため、県が施設運営の団体と調整した結果、一つの圏域で受け入れ可能な地域として庄内が決まった。今回の災害で、被災地の老人施設利用者が自衛隊ヘリで県内の空港に搬送されたのは初めて。
石巻の施設近くのグラウンドからヘリ4機がピストン輸送で庄内空港に搬送。健康チェックを受け、各地の受け入れ施設に車で向かった。7人を受け入れた鶴岡市内の施設の担当者は19日、「石巻からの高齢者たちは、一晩ゆっくり休んで少し落ち着いたようだ。大変でしたと、声を掛けたら『ひと安心です』とほっとした様子だった。災害は、お互いさま。ゆっくりと休んでいただきます」と話した。