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2011年(平成23年) 5月31日(火)付紙面より

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140年ぶり“庄内産茶”

 鶴岡市羽黒町の地縁団体・松ケ岡開墾場(山田鉄哉理事長)が昨春から取り組んでいる茶の栽培で、初めての茶葉の摘み取り作業が28日、同市羽黒町松ケ岡の茶畑で行われた。庄内の地で育った茶の味を確かめようと試験的に製茶も行われ、関係者が約140年ぶりに作られた“庄内産茶”を味わった。

 明治初期、松ケ岡地区で旧庄内藩士約3000人が農地を開き、「松ケ岡開墾場」として養蚕業の桑園を作るとともに、1873(明治6)年ごろから当時の輸出主要品目の一つだった茶の生産に着手した。しかし、気象条件が合わないなどの理由で産業として結実しなかった。

 こうした歴史的背景を元に一昨年秋、地縁団体の総代で酒井家18代当主の酒井忠久さんが、知人で入間市博物館(埼玉県)の黒澤一雄館長から「温暖化の影響で茶の北限は上がり、寒冷地に強い品種も開発されている」と勧められ、団体で茶栽培に取り組むことになった。

 昨年4月、開墾場の農地約2アールに、同博物館の協力で手に入れた「ゆめわかば」「さやまかおり」「ほくめい」の3種600株の苗を植えた。その後は順調に育ったものの、冬の豪雪で約2割の苗が折れたという。

 この日、地縁団体関係者と、同博物館の「お茶大学」で講師を務めている双木茂芳さんや同大学の生徒、OBなどが参加し、茶畑で柔らかい新芽を中心に生葉を摘んだ。2時間近くかけて約4キロ分を収穫した後、近くの松ケ岡本陣に移動し製茶を行った。

 本陣の炊事場で茶葉を蒸した後、焙炉(ほいろ)の上で手もみした。翌29日の昼まで乾かし、関係者で試飲をした。山田理事長は140年ぶりの“庄内産茶”の味に「ちゃんと製茶すれば庄内の地でもおいしいお茶ができるのかと、不思議な気持ちになった」と感慨深げに語った。

 同団体によると、今年は約1200株の苗を植えた。今後は3―4年かけて安定した収穫を目指すとともに、「松ケ岡のお茶」のPRや製品化を図るという。

昨春植えた茶の木から柔らかい新芽を摘み取り、140年ぶりの“庄内産茶”を製茶した(左) 交代しながら、焙炉にかけた助炭(じょたん)の上で茶葉をもむ作業を進めた
昨春植えた茶の木から柔らかい新芽を摘み取り、140年ぶりの“庄内産茶”を製茶した(左) 交代しながら、焙炉にかけた助炭(じょたん)の上で茶葉をもむ作業を進めた



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