2011年(平成23年) 6月30日(木)付紙面より
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庄内地方で夏の味覚として親しまれている「なんぜんじ豆腐」作りが庄内の各豆腐店で盛んに行われている。
なんぜんじ豆腐は半球状の形をしているのが特徴で、酒田市の南禅寺屋が元祖といわれる。南禅寺屋の祖先がお伊勢参りの途中で病気になり、路銀を使い果たしたため京都の南禅寺に住み込みで働いた。そこで丸く柔らかい豆腐に出合い、作り方を学んだ後、庄内で「南禅寺豆腐」として売り出したという説がある。
鶴岡市泉町の難波とうふ店(難波亨代表)では、寒い日が続いた影響で例年より20日ほど遅い5月末ごろから作り始めた。梅雨明けの7、8月ごろに最盛期を迎え、9月10日ごろまで製造するという。
29日午前中は従業員たちがなんぜんじ豆腐作りに追われた。特製の型に寄せ豆腐を少し山盛りにして入れ、その上に重しを加えて固めた。その後、型から外して冷水に浸し、一つ一つ丁寧に手ですくい上げ、ケースに入れていた。
難波代表は「原料の大豆は地元のものを使用しており、甘みとつるっとした食感が特徴。暑い日が続くと忙しくなる」と話していた。