2011年(平成23年) 8月31日(水)付紙面より
ツイート
酒田の四季折々の味覚が楽しめる「北前料理・酒田湊(みなと)膳」のうち「秋の膳」の提供が、9月1日から酒田市内の10店舗で始まる。クチボソガレイ、弁慶めし、芋煮など酒田の旬の味覚を提供するもので、希望で地酒3種セットを加えることも可。同市あきほ町の日本料理「鵜渡幸」で28日昼、試食会が開かれ、関係者が「酒田の秋」を味わい意見を交わした。
「湊膳」は、北前船によって上方の影響を受けた食文化が発達した酒田ならではの料理と、地元が誇る銘酒で観光客らをもてなそうと、料亭や飲食店、酒造店、観光関係業者らで組織する「酒田地酒フェア北前料理酒田湊膳実行委員会」(委員長・大谷俊一酒田料亭組合長)が1999年、寒ダラ(マダラ)の「どんがら汁」を主とする「冬の膳」でスタートした。参加各店は、春はサクラマス、夏はスルメイカ、秋はクチボソガレイ、冬はマダラを中心に、地元食材を使った自慢料理とデザート、弁慶めしを基本に昼食と夕食を準備。
このうち「秋の膳」の昼食は各店で値段は異なり、1575円(税込み)から。525円(同)を追加することで地酒8種類の中からぐい飲みで3杯飲める。夕食は各店が趣向を凝らした豪華メニューを2500円から4200円で提供する。
この日の試食会には実行委員会メンバーら関係者約25人が参加。メニューは、▽庄内芋子汁▽マダイ、サワラ、エビの刺し身▽ノロゲンゲのてんぷら▽クチボソガレイの焼き物▽むきそば入りあんかけそば▽弁慶めし▽抹茶ぜんざい―など、彩り豊かな品がずらり。いずれも鵜渡幸総料理長の須田剛史さんが考案したもので、同店で提供する。
須田総料理長がそれぞれの料理を解説した後、参加者は早速、舌鼓を打ち口々に「おいしい」。酒田市旅館業組合の福田重穂組合長は「『北前料理』として定着していけば。私たちもお客さんに広く紹介していきたい」と太鼓判を押していた。
実行委事務局の酒田観光物産協会によると、秋の膳の提供は11月30日まで。問い合わせは同協会=電0234(24)2233=へ。