2011年(平成23年) 9月1日(木)付紙面より
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鶴岡市の羽黒第四小学校(石崎幸宏校長、児童26人)の児童たちが30日、近くの「上野新田ため池」で生き物調査を行った。池の中や水路に生息するドジョウやハヤなど数多くの生物を見つけ、泥だらけになりながら歓声を上げた。
上野新田ため池は、上池と下池が隣接して水路でつながっており、農業用水のため池として上野新田地区で長年使われている。近年、雨天時に下流で水があふれるなど水路の老朽化が目立ち、県が2001―10年まで改修工事を行った。
一昨年、ため池にすむ生物への工事による影響を軽減するため、生物の引っ越し作業を実施。その際、羽黒四小の児童たちも協力し、下池南側に造った保全池に魚類やカエル、昆虫などを放した。この中でホトケドジョウやスナヤツメなど貴重な種類も見つかった。
今回の調査は、改修工事の終了を受けて環境が変わった後も生物がどれだけ生息しているか確認するためのもの。全校児童と教員、県庄内総合支庁職員のほか、今野川土地改良区、赤川漁業協同組合、地元住民なども参加した。
水がほとんど抜かれた南側の下池を4―6年生が、上池側を1―3年生が調査を担当。このうち上池側では、下池側から流れてくる水路や沼の浅い部分に児童たちが網を入れると、オタマジャクシやミズカマキリ、ドジョウ、ハヤなどが次々と掛かった。
10センチほどのハヤやオタマジャクシなど合わせて10匹余りを捕まえた3年生の小泉虎近君(8)は「いっぱい生き物がいて驚いた。大きい魚を見つけられたのでうれしかった」と笑顔で話していた。
調査に先立ち、近くの爪田川から取水する上野新田1号頭首工や、県が改修工事を進めている上野新田トンネルの見学などを行った。