2011年(平成23年) 12月3日(土)付紙面より
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鶴岡市馬場町の荘内神社(石原純一宮司)の拝殿に天井画が完成し1日、お披露目された。石原宮司の母親で、庄内を拠点とする美術団体「白甕社」会員の和子さん(81)が描いた花などで、訪れた人たちを喜ばせている。
和子さんは約30年前から、元白甕社委員長の日本画家、故・伊藤喜久井さんに習い、趣味で日本画を描いてきた。今回は石原宮司の提案で、拝殿の格天井の169升(13×13升)のうち、中央の25升(5×5升)に、9月初めごろから約3カ月かけて制作した。
45センチ四方の杉板25枚に、庄内藩酒井家の家紋「かたばみ」と裏紋「おもだか」のほか、サクラやウメ、キク、ユリ、ボタン、キキョウなど日本の花を、墨や胡粉、岩絵の具などで描いた。家紋は、同神社が庄内藩主の霊を祭っている縁。花の色のバランスを考えながら、天井にはめ込んだ。
和子さんは「花は、これまで30年間描きためた自分のスケッチを基にした。余計なことは考えず、無心で描いた。喜んでもらえたらうれしい」とする。そして、「天井にはまだ空きがあるので、周りを囲むようにもう1列、24枚は描きたい」と創作意欲を燃やす。
お披露目された1日、参拝に訪れた家族は色とりどりの花の絵を見上げ、「きれい」と喜んでいた。