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荘内日報ニュース


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2011年(平成23年) 7月30日(土)付紙面より

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鶴岡・渡前地区獅子踊り 10年ぶり復活

 鶴岡市渡前地区の獅子踊りが10年ぶりに復活する。多くの集落に獅子踊りが伝わる「獅子踊りの里・藤島」の中でも古くからの様式を保ち、流れるような優美な動きが特徴という。地区の青年たちが踊り手となり、8月15日の本番に向け厳しいけいこに励んでいる。

 渡前の獅子踊りは、少なくとも1827(文政10)年からは踊られていた。「大踊り」「牝獅子し掛(めじしがか)り」「橋掛り」「幕掛り」の4種が伝えられ、かつては1年で全部が踊られていたが、近年は1年に1種ずつ、4、5年かけて全部を踊っては10年ほど休むのが慣例となっている。今回は、1997年から2001年まで5年続けられて以来、10年ぶり。渡前獅子踊り保存会(丸山聡会長)が昨年から「そろそろやるか」と地区の青年に働き掛けていた。

 今年は「大踊り」を踊る。20―30代の青年5人の踊り手のほか、脇役や子役、謡の計約20人が5月末から週3―5回、地区の鎮守・五所神社でけいこ。約30の場面ごとのけいこを経て、今月下旬からは仕上げの通しげいこに入っている。

 27日午後7時からは、踊り手5人が井上克浩さん(50)=公務員=らの指導で約2時間半にわたり、同神社社殿でけいこ。「ダンコン、ダンコン、ダンコンダ」など片仮名の楽譜を口にしながら胸の太鼓を打ち鳴らし、床に汗を滴らせ激しく踊っていた。

 今年初めて踊る本間章浩さん(26)=公務員=は「不安だったが、先輩たちのおかげで何とか少しずつ覚えてきた。祖父も踊っていたので、自分が踊ることは祖父が一番喜び、本番も楽しみにしている」、5人のうち唯一の経験者で、最も激しい花形の「中獅子」を演じる齋藤直八さん(39)=会社員=は「昔から続くものを途切れないように伝えていきたい。とても苦しいが、うまく踊れたときの達成感は何とも言えない。美しい動きを見てもらいたい」とそれぞれ話した。

 井上さんは「渡前の獅子踊りは古くからの4種をきちっと守り伝え、流れるような美しい動きが特徴。最初は自分も、ここに生まれたから仕方なくやるかという感じだったが、やってみて、誇りになった。若い世代にも、そういう誇りを受け継いでいってもらいたい」と話した。

 渡前獅子踊りは8月15日午後2時と同7時の2回、五所神社境内で奉納上演される。午後2時の回では大人に先立ち、渡前小児童による子ども獅子踊りも披露される。これに先立つ同7日はふじしま夏まつりの鶴岡伝統芸能祭(午後5時半から、藤島体育館北側芝生広場)でも披露される。

五所神社社殿で獅子踊りのけいこに励む青年たち=27日夜
五所神社社殿で獅子踊りのけいこに励む青年たち=27日夜


2011年(平成23年) 7月30日(土)付紙面より

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元気に論語素読 致道館で「昔の授業」体験

 鶴岡市教育委員会の夏休み体験企画「致道館で昔の授業を体験しよう!」が29日まで3日間にわたり、同市の旧庄内藩校致道館で行われた。街中の喧(けん)騒とは懸け離れた木々の緑に囲まれた涼しい畳の間で、子供たちが論語を素読する大きな声が響いた。

 「自学自習」や「天性重視・個性伸長」を重んじ、鶴岡の教育的風土を形づくるとともに、不易の学びの精神として受け継がれている致道館の学びの精神を広く市民に知ってもらい、地域の文化・歴史に関心を持つきっかけにしてもらおうと昨年から実施。小学3―6年の12人と、保護者や一般4人の計16人が受講した。

 致道館文化振興会議の細井功会長と富樫恒文市文化財保護指導員の2人が講師となり、3日間とも午前中の2時間半、論語抄の第1章から21章までの素読と、藩校致道館の成り立ちや学制、教育方針などを聞く学習を繰り広げた。

 初日は難しい漢字に戸惑った様子だったという子供たちも、最終日の29日には細井会長のリードに続き、大きな声で素読。「子曰(のたまわ)く、故を温して而(しこう)して新を知る。以(もっ)て師為(た)る可(べ)し」(第15章)など庄内独特の読み方を学びながら、「江戸の学校」を体験していた。

 昨年に続き2回目の参加という羽黒三小5年の竹内涼君は「学校で習わないことが勉強できるので参加した。論語は難しいけれど、声を出して読むのは楽しい」、朝暘五小6年の加賀山夢彩さんと同小4年の青山千紘さんは「夏休みの自由研究は致道館のことを調べたい」と話していた。

風が通る涼しい畳の間で、子供たちが鶴岡の教育の原点ともいえる論語の素読に取り組んだ
風が通る涼しい畳の間で、子供たちが鶴岡の教育の原点ともいえる論語の素読に取り組んだ



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