2011年(平成23年) 9月2日(金)付紙面より
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出羽三山神社の「八朔祭」が31日深夜、羽黒山頂で行われ、「秋の峰」で山伏修行を積んだ修験者たちが勇壮な火祭りを繰り広げた。
八朔祭は秋の峰を締めくくる祭り。二百十日を前に暴風雨が吹かないように五穀豊穣(ほうじょう)と国土安泰を願うとともに、修行者たちが新しい生命を得て生まれ変わるための自分の葬儀でもあるとされる。祭りの名称は、旧暦時代に8月1日(朔)に行っていたため。
今年の秋の峰には、全国から19歳から79歳までの158人が参加。8月26日から羽黒山中腹の峰中堂にこもりながら、出羽三山の拝所を巡る山駆けや断食など厳しい修行を積んできた。
午後10時ごろから出羽三山の開祖・蜂子皇子を祭った蜂子神社で神事が始まった。神社前に並んだ修験者たち一人一人の山伏名が呼び上げられ、「うけたもう」の声が暗闇に響いた。その後、祝詞を唱えた後、神社向かいの護摩壇に火が放たれた。
護摩壇の四方から修験者が長さ約4メートルの棒で火柱を突く「火ばし神事」が始まると祭りは最高潮に。境内には修験者の家族やカメラマンらが集まり、シャッターを切ったり、力強い祭りに見入っていた。
2011年(平成23年) 9月2日(金)付紙面より
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池や沼など淡水域にすむ「マミズクラゲ」の展示が1日から、鶴岡市立加茂水族館で始まった。ある年に大発生したかと思うと、翌年にはまったく姿を見せなくなる“神出鬼没”の不思議な生態のクラゲで、来館者は「珍しいね」と話しながら観察している。
マミズクラゲはヒドロ虫網淡水クラゲ目。世界各地の温帯熱帯域の淡水で見られる。国内では貯水池や湖など流れのない穏やかな水域で、夏の終わりから秋にかけて発生する。
同水族館によると、8月半ばに山辺町のゴルフ場から「ホール内の池にクラゲが出た」と連絡を受け、同31日に奥泉和也副館長が採集に向かった。池から約30個体をすくい上げ、水族館に持ち帰った。1個体のかさの直径は約2―2・5センチで、体は白みがかかった半透明。
奥泉副館長は「どこに発生するか分からない捕獲しにくいクラゲ。今回採集したゴルフ場も昨年は発生しなかったようだ」と語り、「県内で捕獲された個体を展示するのは4、5年ぶり。繁殖が難しいこともあり、発生している期間中しか展示しないので、一般の方はなかなかお目にかかることがない。見たい方は早めの来館を」と話していた。
マミズクラゲは、同館のクラゲ展示室「クラネタリウム」のルーペコーナーで、10月ごろまで展示する予定。また、同館は「マミズクラゲは庄内での発生例がまだ確認されていない。池や沼で見つけた方は、加茂水族館までご一報を」としている。問い合わせは同館=電0235(33)3036=へ。