2012年(平成24年) 3月29日(木)付紙面より
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全国の高校生が合宿生活を送りながら最先端の科学を体験する「スプリング・サイエンスキャンプ2012」が26―28の2泊3日の日程で、鶴岡市の慶應義塾大先端生命科学研究所で開かれ、最先端のシステムバイオロジーを体験した。
このプログラムは、科学技術振興機構(本部・東京都、略称・JST)が毎年この時期、全国の大学や研究機関と連携して実施。今年は全国18カ所で高校生合わせて約280人がライフサイエンスや環境、エネルギーなど多彩な分野の講義・実験に取り組んでいる。
2007年3月から同プログラムを受け入れている慶應大先端研には今回、本県の4人と、東京都、神奈川県、青森県、千葉県、静岡県、京都府の高校生合わせて18人が参加。研修棟(鶴岡市馬場町)に寝泊まりしながら、バイオラボ棟(同市大宝寺)で、バイオサイエンスとコンピューター解析を組み合わせたシステムバイオロジーの基礎を体験した。
2日目の27日午後は、柘植謙爾講師らの指導でオワンクラゲに由来する光る遺伝子をPCRと呼ばれる機械で増幅したものを、大腸菌に組み込む実験。緊張した手つきでマイクロピペットを使うなど、真剣に取り組んでいた。
学習院高等科1年の小久保智淳君(16)=東京都杉並区=は「昨夏に慶應の同様のプログラムに参加し、面白かったのでまた来た。将来は環境や少子化など世界の問題解決に貢献したい」、鶴岡南高2年の南葉一輝君(17)は「最先端の研究に触れられるのが面白い。全国の高校生たちといろんな話ができるのも楽しい」と話した。
高校生たちはそのほか、同先端研の冨田勝所長の講演、同大の学生とのディスカッションなどを通じて、科学が世界や日本の将来に果たす役割などについて考えを深めた。