2012年(平成24年) 5月4日(金)付紙面より
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酒田市本楯地区の大物忌神社(日下部義雄宮司)で2日夜、本楯神代神楽が勇壮に奉納上演された。
起源は定かでないが、現存する面や衣装の特徴、同市落野目地区に残る約320年前の文献に、本楯から神楽が伝わったという記述があることなどから、江戸時代中期には舞われていたと推定されている。
同神社を境に上下2組の神楽があり、それぞれで保存会を組織し継承。近年は同神社の例祭(5月3日)と前夜祭に、上組(今井種吉会長)と下組(進藤勝雄会長)が交代しながら上演している。1975年4月、市の無形民俗文化財に指定された。
今年は上組が前夜祭を担当。午後7時半すぎから「神子(みこ)舞」に続き、受け継いでいる十数演目のうちいずれも日本神話を題材にした「伊邪那岐命(いざなぎのみこと)」「八岐大蛇(やまたのおろち)退治」を、太鼓や横笛などの伴奏で勇壮に奉納。詰め掛けた住民らは、目の前で繰り広げられる神話の世界を堪能し、舞が終わると大きな拍手を送っていた。