2013年(平成25年) 2月16日(土)付紙面より
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3月3日のひな祭りを前に、鶴岡市の老舗菓子店「木村屋」(吉野隆一社長)で15日、鶴岡伝統の「雛(ひな)菓子作り」がスタートした。
庄内の雛菓子は、白あんに求肥(ぎゅうひ)などを混ぜて練った生菓子の「練り切り」が伝統的に用いられる。練り切りでさまざまな形の菓子を作るのは全国でも珍しく、北前船で京都から技術が伝わり独自に発展していったとされる。
鶴岡市覚岸寺にある木村屋の菓子工場「ファクトリーガーデン」では、従業員たちが手分けしてイチゴやミカン、サクランボなど21種類の雛菓子作りや箱詰め作業に追われていた。
従業員たちは手作業で食紅などで雛菓子に色を付け、寒天で光沢を出し、さらにエアブラシや竹べらなどを使って細部まで本物そっくりに仕上げていた。
吉野社長は「雛菓子作りは手間もかかり採算を取ることは難しい。現在も作り続けられているのは庄内特有のこだわりがあるからだと思う」と話していた。
雛菓子の販売は16日から、直営の17店舗で行われる。